名古屋市工業研究所

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研究報告

平成16年度研究報告

重点研究 (3テーマ)

事業名 多層IC基板の熱対策評価技術の開発と指導
担当 [電子情報部]高橋文明、小田究、梶田欣、竹内満
補助事業名 公設工業試験研究所の設備拡充補助事業〈日本自転車振興会〉

1.目的

今日では、情報通信機器から自動車製品に至るまで、様々な分野で電子機器が利用されるようになっており、機器の小型化あるいは高性能化に伴って生じる発熱への対策が必要不可欠である。実際、電子部品は熱に対して脆弱なものが多く、使用温度が10℃上昇すると、寿命が半減すると言われてる。発熱の大部分を占めるICチップからの熱は、IC基板を通じて筐体内の空気中に放出されるため、熱伝導性の優れた基板の開発が求められている。一方、IC基板は、高密度実装の必要から多層化されており、基板の熱伝導性を評価するためには、多層材に対応した熱物性測定法の開発が必要になる。本事業では、熱物性測定技術の向上を図るとともに、製品レベルでの熱対策技術を確立することによって、中小企業を技術的に支援し、企業の研究開発能力と競争力の強化に貢献することを目的とする。

2.内容

手始めとして、レーザフラッシュ法による二層材料の熱拡散率及び熱伝導率の導出を試みた。厚さ0.3 mmのAlN基板に、厚さ0.02 mmの銅パターンをポリイミドで接着した二層材では、従来法によって得られるみかけの熱伝導率は30.6 W m-­1K­-1となった。一方、理論値は9.5 W m-­1K­-1であり、両者の間には大きな差異が生じた。これは、銅パターンとAlN基板からなる二層材を単層材と見なして従来法を適用したことにあり、各層の厚さや熱伝導性の違いによっては大きな誤差を生じ得る。実測から二層材の熱伝導性を評価するためには、第一層の熱物性を既知とした二層モデルによる数値解析から第二層の熱拡散率を決定した上で、各層の熱抵抗を合成することによって、熱伝導率を求める必要がある。なお、熱流体シミュレーションによって、基板を機器に実装した製品レベルでの熱の流れ及び温度分布の可視化を行ったところ、基板の熱物性値の違いによって解析結果に大きな差が生じることが明らかになった。

3.成果

熱物性測定技術の向上とシミュレーションによる熱評価技術を確立することによって、中小企業の技術的なサポート体制を整えることができた。さらに、技術相談・依頼試験を通して熱評価・対策技術に関する指導を行い、中小企業の育成ならびに技術水準の向上に寄与できた。今後は、製品開発過程においてシミュレーションによる熱設計技術を積極的に活用することにより、開発期間の短縮と開発コストの削減が期待できる。

4.設置機器

機器名称 型式・性能 製造所名 設置年月日
熱拡散率測定装置 TC­7000H アルバック理工(株) H16.11.30
熱容量測定装置 DSC Q 100 ティー・エイ・インスツルメント(株) H16.10.20
電子機器熱解析装置 IcepakVersion 4.1.12 フルーエント・アジアパシフィック(株) H16.9.30

 

事業名 環境にやさしいステンレス軸受の開発
担当 [生産技術部]松井則男、毛利猛、内藤寛、大村博彦
補助事業名 中小企業技術開発産学官連携促進事業〈中小企業庁〉

1.目的

含油軸受には摺動特性を向上させる目的で通常、固体潤滑剤が添加されており、摺動特性が最も良好な材料は鉛(Pb)である。しかし、国際的なPb規制の流れから、黒鉛などが代替材料として用いられているが、Pbより特性が劣るのが現状である。また、含油軸受を組み込む軸への配慮から、含油軸受の材質として青銅系や鉄系が用いられているが、ステンレス製は存在しない。本事業では、Pbに代わる摺動特性に優れた材料のステンレス製含油軸受への応用について、既存の製造方法(金型成形+焼結炉)と放電プラズマ焼結(SPS)法を用いて検討した。

2.内容

今年度は市販のフェライト系ステンレス鋼であるSUS410L粉末を用いた。また、昨年度までの研究で、Pb代替材料の候補としてビスマス(Bi)、窒化硼素(BN)、Xの3種類に絞り込んだ。なお、知的所有権の関係で、Xは材料名を明記できない。
金型成形+焼結炉では、SUS410L+3.56%Bi、SUS410L+0.83%BN、SUS410L+n%X、SUS410L+4.00%Pbの 各組成にステアリン酸亜鉛を1.0%添加して、3.6ks間の混合を行った後に外径12mm内径6mm高さ6mm(以下f12­f6と記す)のリング形状をした圧粉体を作製した。得られた圧粉体は、脱脂処理後に温度973〜1373Kで約7.2ks間保持することでリング状焼結体を作製した。得られた焼結体にサイジングを施したのち、圧環強度を測定し摺動試験(初期なじみ)を行った。SPSでは、均質なSUS410L製多孔質体を作製するため、下パンチの長さを上パンチより長くするなどの様々な工夫を施した。f12­f6リング状焼結体が4個作製できる黒鉛型を用いて、SUS410L粉末を 4.9kNの加圧下にて温度1123,1173,1223Kで180s間保持してリング状焼結体を作製した。その後、最適な条件で上記組成のリング状焼結体を作製し、圧環強度および摺動特性(初期なじみ)を測定した。

3.成果

金型成形+焼結炉では、サイジングに必要な150MPaをクリアして、かつ最も低い焼結温度は1373Kであった。この温度で焼結したリング状焼結体の摺動特性は、BiおよびBNを添加した組成で摩擦係数が0.49を示した。これに対して、Xを添加した組成の摩擦係数は0.10で、Pbを添加した組成の摩擦係数0.14よりも低い値を示した。XはPbの代替材料として最適であることが判った。
SPSでは、Pb代替材料の添加により、圧環強度が低下する可能性を考慮して、SUS410L粉末単独では強度の最低値を200MPaとした。試験の結果、1223Kのリング状焼結体が圧環強度242MPaを示し、また気孔率は23.4%を示した。そこで、1223Kで上記組成の焼結体を作製したところ、すべての組成で150MPaをクリアした。金型成形で作製した場合と比較して、SPSを用いることで焼結温度が150K低下でき、焼結保持時間は1/40と大幅に短縮できた。摺動試験の結果、Biを添加した焼結体の摩擦係数は0.25、BNを添加した焼結体の摩擦係数は0.20を示し、金型成形 より優れた数値であった。これに対して、Xを添加した焼結体の摩擦係数は0.13で、Pbを添加した焼結体の摩擦係数0.14より低い値を示した。金型成形よりは若干高い数値であるが、内径面性状やクリアランスが影響していると推察している。

4.設置機器

機器名称 型式・性能 製造所名 設置年月日
なし      

 

事業名 環境と協奏する新しい亜鉛めっきシステムの開発
担当 [材料技術部]三宅猛司、松本宏紀、加藤雅章、西保夫
[工業研究所]久米道之
補助事業名 技術開発研究費補助事業〈中小企業庁〉

1.目的

昨今の環境問題に対する関心の高まりにより、めっき排水をゼロにする無排水処理めっきシステムの開発が望まれている。無排水処理めっきシステムを構築するにはめっき液のリサイクルが必要となる。そのためには、リサイクルが容易な単純なめっき浴組成の開発と同時に、亜鉛めっき皮膜特性も従来と比べ同等以上であることが望まれる。本事業では、無排水処理めっきシステムに適した亜鉛めっき浴組成の開発およびパルス電解法によるめっき皮膜特性の向上を目指すとともに、無排水処理亜鉛めっきシステムの検討を行った。

2.内容

塩化亜鉛めっき浴は基本浴(ZnCl2:70gl­1、KCl:200gl­1、H3BO3:30gl­1)を用い、少量の有機添加剤を組み合わせ、適切なパルス電解条件下で亜鉛めっきを電析させた。電析後、市販の6価および3価のクロメート処理を行った後、耐食性について塩水噴霧試験(SST)を用いて検討した。一方、めっき液添加剤の測定にはキャピラリー電気泳動測定装置を用いた。

3.成果

基本浴に少量の有機添加剤を加え、パルス電解法で得られた亜鉛めっき皮膜は緻密で微細であった。その後処理であるクロメート処理工程も従来と同じ工程が可能であり、出来上がりも従来品と遜色がないことが明らかになった。また、3価のクロメート処理後の耐食性もSSTによる赤錆発生時間は480h程度であった。一方、無排水処理亜鉛めっきシステムを用いた場合でも同様の亜鉛めっき皮膜の特性が得られると同時に無排水処理化が可能であることが明らかになった。さらに、めっき液の添加剤はキャピラリー電気泳動測定装置を用いることで管理することが可能であった。

4.設置機器

機器名称 型式・性能 製造所名 設置年月日
ケミカルインピーダンス測定装置 263A+5210+QCA922 Princeton Applied Research H16.12.6
ナノインデンテーション測定装置 フィッシャースコープ
H100C XYp
(株)フィッシャー・インスツルメンツ H16.11.16
キャピラリー電気泳動測定装置 CAPI­3300 大塚電子(株) H16.10.8
塩水噴霧試験機 STP­90 スガ試験機 H16.12.10
キャス試験機 CAP­90 スガ試験機 H16.12.10

指定研究(6テーマ)

研究題目 プラスチックの分別技術に関する研究開発
研究者 [資源環境部]秋田重人
[材料技術部]木下武彦、岡本和明
研究概要 多岐にわたるプラスチックの分別法の中、比重差を利用した方法は簡便で粉砕品の分離に広く利用されている。しかし、現状ではその対象は限られており、精度も満足のいくものではない。本研究では流動層湿式比重分別法のプラスチック混合物への適用を検討した。
複数の取り出し口を有するガラスカラムに比重が1.0以上の樹脂ペレット二種を充填し、微量の界面活性剤を添加して脱気した。その後、下方より適当な流量で通水して樹脂層を流動化状態とし、樹脂サンプルを比重差に従って成層化した。各層は適当な高さに位置する取り出し口から順次回収し、高精度な分別が迅速に達成された。また、分離効率に与える流量や樹脂比重差の影響を検討した。サンプルとして粉砕品を用いた場合は比重差に加えサイズによる分級効果が加わり、分離効率の若干の低下が認められた。
研究題目 生分解性プラスチックと粘土鉱物の有機無機ナノコンポジットに関する研究
研究者 [材料技術部]岡本和明、平野幸治
[資源環境部]中野万敬、二村道也
研究概要 ポリブチレンサクシネート(PBS)の有機化クレイとの親和性を高めるために、反応押出を用いたPBSへの極性基の導入を行い、得られる変性PBSと有機化クレイのナノコンポジットについて検討した。ベンゼン環を構造中に持つ脂肪族アミン、脂肪族イソシアネート、芳香族イソシアネートとPBSを押出機により溶融混練し変性PBSを得た。このときの反応性と副反応による分子量低下について、UVとRIの両検出器を持つGPCを用いて調べた。その結果、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネートではPBSへの付加反応が起きていることが確認されたが、脂肪族アミンでは分子量が低下することがわかった。各種変性PBSと有機化処理剤の異なる二種類の有機化クレイとのコンポジットについて、X線回折によるクレイの層間距離の測定を行い、官能基導入の影響を調べた。
研究題目 新規生体関連複合材料の開発
研究者 [材料技術部]柘植弘安、西保夫、小野さとみ、林英樹
研究概要 ステンレス鋼SUS304は、安価で加工性に優れる材料であるが、チタン等より耐腐食性が劣る。そこで、SUS304表面に保護膜を作製し、この欠点を改善することができれば、これまでSUS304の利用が困難であった、生体材料の分野への適用が可能になる。本研究では、保護膜の作製方法として、化学修飾したメタチタン酸(TiO(OH)2)粒子を用いた無機−有機複合皮膜の作製について検討した。まず、メタチタン酸粒子とシラン化合物から、エポキシ基を有する誘導体を作製した。続いてこの誘導体にエタノール中、3−(アミノプロピル)トリエトキシシランを作用させて前駆体懸濁溶液を調製し、SUS304をディップコーティングした。その結果、SUS304板表面に、均一に分散した粒子を含む、密着性の高い皮膜を作製できた。さらに、塩化第二鉄を用いた耐腐食性試験において、著しく腐食を抑制できることがわかった。
研究題目 環境適応型リサイクル技術の開発
研究者 [資源環境部]山口浩一、秋田重人
[材料技術部]木下武彦
研究概要 焼却灰からの金属の回収と廃ポリ塩化ビニル(PVC)の脱塩素処理は別々のプロセスで処理されている。本研究では、処理プロセスの低コスト化、省エネルギー化を狙い、廃PVCを塩化水素(HCl)源として活用することを考え、焼却灰との混合・熱処理プロセスを利用した飛灰からの金属の湿式回収について検討した。飛灰としてはZnを高濃度で含む廃タイヤ焼却飛灰(TFA)を用い、PVCとの混合物を200℃程度の比較的穏和な条件で熱処理を行った。その結 果、PVCの熱分解により生成したHClがTFAに効率よく吸収されるだけでなく、熱処理後の試料から水を浸出液として金属の湿式回収を試みたところ、Znを高効率かつ非常に高い選択性を持って浸出可能であることがわかった。PVCの分解率の向上、処理系外への塩素放出量の低減、ならびに飛灰に含まれる金属の回収率の向上が今後の課題である。
研究題目 泡沫分離法に関する研究開発
研究者 [材料技術部]木下武彦、石垣友三
[資源環境部]山口浩一
研究概要 ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤は金に対して高い親和性を示す。本研究では、この界面活性剤を用いた分離法の一つとして泡沫分離法を取り上げ、より効率的な装置の開発を目標に、その特性把握および操作因子の最適化を検討した。回分操作より得られた結果より、界面活性剤を介した金と気泡の吸着関係は、フロインドリッヒ型でG x107 = 10.3 [Au]b0.39で表せた。この吸着等温式と連続操作の物質収支式から、金の連続操作における回収率と濃縮比を計算したところ、実験値プロットと計算線は良い一致を見せ、性能予測は可能といえる。計算から、フィードが増加するにつれて排液中の金濃度は増加するが、表面吸着量はほぼ一定であり、また回収された金の9割以上が泡沫表面吸着による回収であることが判明した。この結果から、現状の操作系では性能向上に限界があり、今後は新たな装置開発を行なう予定である。
研究題目 環境循環型材料を使用した生分解性合成紙の研究
研究者 [資源環境部]高木康雄、朝日真澄、山中基資
[生産技術部]山岡充昌
研究概要

環境循環型材料であるポリ乳酸と当所でバイオマスより発酵合成した微生物プラスチックなどを構成成分とする合成紙開発を検討した。生分解性プラスチックの生分解合成紙への応用は、価格が高くても市場競争力があること、木質材料よりも単年性植物の微生物変換から作った材料(バイオマス環境循環型材料)の方が環境負荷を小さくできること、製品に確実な生分解性が求められていること、ミクロな空隙を多く作ることから軽量化が期待できることなどのメリットがある。本年度は生分解性プラスチック樹脂のブレンド、無機添加物の検討、延伸実験などをおこない、それぞれのサンプルの評価をおこなった。

共同研究(8テーマ)

研究題目 セラミックスコーティング膜の研究開発(産業技術総合研究所)
研究者 [材料技術部]小野さとみ、松本宏紀、柘植弘安、加藤雅章、西保夫
[工業研究所]久米道之
研究概要 本事業では化学溶液法あるいはめっき法を用いて、セラミックスの超微粒子をセラミックスまたは金属マトリックス中に複合させることにより、耐磨耗性、潤滑性、耐食性、耐熱性などの機能特性を発現させ、それを金属工具、輸送機械部品、電気および電子機器部品等に応用展開することを目的としている。今年度は1)シリカ皮膜中にγ­アルミナ微粒子を分散した、高耐食性無機・有機ハイブリッド皮膜の作製プロセスの検討及び2)セラミックスをナノ粒子レベルで分散した複合めっき膜の作製方法の検討を行った。1)では樹脂含有シリカ前駆体溶液にアルミナ微粒子を複合化したところ、5mass%程度までの添加量であれば、無添加の皮膜と同等の耐食性が得られることが分かった。2)では、耐磨耗性が期待される皮膜として、市場からの要求も高い、電解Ni­P/アルミナ系の分散めっき皮膜作製の研究に着手した。
研究題目 燃料電池及び応用装置に関する研究(産業技術総合研究所)
研究区分 重点
研究者 [電子情報部]筒井光範、竹尾隆、宮田康史、高橋文明
研究概要 燃料電池は幅広い分野において次世代電源として有望視されている。本研究では特に発電効率の高い固体酸化物形燃料電池を取り上げ、燃料電池の構成部材のうち電池を特徴付ける重要な部材である電解質と電極について材料開発や製造技術開発を産業技術総合研究所との共同研究として今年度より実施した。化学溶液法を用いて電極材料の原料となる粉体を得た後、酸化ニッケル粉と混合し成形と焼成を行い電池電極を作製した。電解質は高温形電池で使用されているイットリア安定化ジルコニアを用いて燃料電池を試作し、特性評価を行った。電池特性としては低いものの電力を取り出すことに成功した。今後、電極製法に改良を加え構造を最適化し、合わせて電極組成の検討を行い電池性能の向上を図るとともに炭化水素系燃料を直接利用できる内部改質型燃料電池用電極の開発を行う予定である。
研究題目 ナノアセンブリング用ナノプロセスの研究(名古屋大学)
研究者 [電子情報部]伊藤治彦
研究概要 平成15年度に引き続き、自律型ナノ製造装置に必要なラジカル・イオン計測システムに用いるための小型アーク光源について検討を行った。これまでの光源は陰極電極と陽極電極の間にインシュレータを用いていたため、アーク放電が発生するとインシュレータが消耗し、放電ポイントが移動する現象が発生した。このため、光源として用いた場合、発光強度が変動するといった問題があった。今回検討した電極構造は、円板状の2枚の電極に突起を設け、さらに一方の突起の先にスリットを設けてインシュレータを廃した構造になっている。また、電極先端に設けるスリットを十字型に改良した。これらに工夫により、アーク放電ポイントが固定され、現在では、発光強度の変動が±10%程度まで抑制されていることを確認した。今後は、プラズマ中のラジカル計測を行い、光源としての有用性を確認する予定である。
研究題目 ロボット移動のための動画像処理による物体追跡手法の研究(名古屋工業大学)
研究者 [電子情報部]渡部謹二
研究概要 1.室内ロボットの室内移動などの達成には動きの認識が必須である。画像中の動きを求めるオプティカルフロー(以下OF)推定の調査、開発を行った。実環境下での物体の分離認識、背景と前景の分離を目的とする。
2.
・前処理にコーナー検出、後処理に時空間的近傍情報によるOF更新処理を行った。結果、ノイズの低減に成功し、OFより物体の分離認識がが可能となった。
・4階のBスプライン多重解像度解析を導入した。フレーム間13画素移動の物体OFの推定が可能となった。
・弱中心射影モデルを用い、カメラ視点移動中における前景と背景分離の実験を行った。より高精度なOF推定が必要であり、今後の課題である。
研究題目 電子機器の熱設計に関する研究(名古屋工業大学)
研究者 [電子情報部]梶田欣
研究概要 電子機器は高機能化・小型化等により、発熱密度は増大している。これにより電子機器の熱の諸問題が大きくとりあげられるようになった。これらを解決するには試作前にシミュレーション技術を用いて問題の早期発見、早期解決することが有効である。電子機器筐体内部をモデル化し、連続の式・運動方程式・エネルギー方程式を連立して解くことにより、ICの温度上昇と筐体内部に与える影響を調べた。また、電子機器内部では様々な構造物があり、空気の流れが変化する。これらが熱伝達に与える影響を調べるために同様の手法を用いて温度分布を計算した。構造物の配置によっては放熱効果が増加する場合もあった。
研究題目 環境調和型ナノ組織化材料の開発−新規界面活性剤によるバイオリアクターの設計−(名古屋大学)
研究者 [資源環境部]山中基資
研究概要 デンドリマーとは規則的な分岐構造を有し、ナノスケールでの分子設計が可能な高分子であり、その構造的特長からナノ組織化材料への応用が期待できる。分規鎖部分にエーテル結合、末端部分にそれぞれブチル基・ドデシル基を有し、それぞれの中心部分にコハク酸誘導体、エタノールアミン塩誘導体、グルコン酸誘導体を有する四末端型両親媒性脂肪族ポリエーテルデンドロンを調製した。また、酵素とは主にたんぱく質からなる生体触媒であり、極めて高い基質特異性、立体選択性をもち、一般の化学合成に必要な温度に対し、非常に低温で反応を触媒することで知られている。今回は、二種類の末端部分の疎水性が異なるデンドロンを用いて、エステル加水分解酵素であるリパーゼの被覆化試験を行った。また、それぞれのデンドロン被覆化リパーゼによるε­カプロラクトンの重合試験を行った。
研究題目 ユビキタスIT対応型実装技術の開発(中部エレクトロニクス振興会)
研究者 [電子情報部]竹尾隆、加藤峰夫、竹内満、山田範明、伊藤治彦、林幸裕、小川清、斉藤直希 、渡部謹二、高橋文明、白川輝幸、小田究、梶田欣
[生産技術部]野呂重樹、真鍋孝顕
[資源環境部]二村道也
研究概要 GHz帯における電子機器筐体の電磁ノイズ対策として、電波吸収体(磁性シート)の活用法について検討し、例えば磁性シートを筐体内に部分的に貼付することによって不要輻射の最悪値を低減できることなどを確認した。また、電子機器の熱設計を行うための簡易プログラム開発に関連して、電子部品を一つのブロックとして扱うモデル化について基礎的検討を行った。鉛フリーはんだ付けの信頼性評価に関連しては、Sn­Ag­Cu系とSn­Zn­Bi系の組成について落下衝撃試験及び熱衝撃試験による評価と、濡れ拡がり及びはんだボール試験を実施した。落下衝撃ではZn系が強く、はんだボール試験では有意な差は見られなかった。また、それ以外では概ねSn­Ag­Cu系が優位であることを確認した。組み込みOSの試験と検証に関連しては、対象範囲を限定した上で、関係団体との情報交換を通じて要求仕様書の作成を進めた。
研究題目 ニッケル代替ナノ結晶銅−スズ合金めっきの実用化に関する研究開発(愛知県鍍金工業組合)
研究者 [工業研究所]久米道之
[材料技術部]三宅猛司、松本宏紀、加藤雅章、西保夫
研究概要 ニッケルめっき代替として銅−40wt%スズ合金めっきが注目されているが、市販されている銅−スズめっき浴はシアン浴であり、環境・作業性の観点から非シアン浴の開発が望まれている。本研究では、錯化剤に食品添加物のトリポリリン酸ナトリウムを用いためっき浴の開発をおこなった。開発しためっき浴により、銀白色で光沢を有する銅−40wt%スズ合金めっき皮膜が得られ、めっき皮膜は光沢ニッケル以上の特性を示した。しかし、時間経過により数日後には金属銅が析出することが問題となったため、安定化剤の検討をおこなった。調査の結果、金属塩を塩化物に変更することで浴の安定性が飛躍的に向上することが確認でき、トリポリリン酸ナトリウム0.40mol/l、クエン酸ナトリウム0.35mol/l、塩化銅0.12mol/l、塩化スズ0.12mol/lの浴組成において、0.6〜1.6A/dm2の電流密度範囲で均質なめっき皮膜が得られた。

経常研究・生産技術部(11テーマ)

研究題目 超塑性クラッド板の開発
研究者 [生産技術部]児島澄人
研究概要 自動車や航空機などの輸送用製品では、省エネルギーの施策から、全体製品の軽量化が進められている。そのため、各部品の軽量材への置換、または、従来材を高強度化して部材の薄肉化が進められている。本研究では、前者の技術開発を捕らえ、技術課題を解決するため、新しい軽量部材として、超塑性を有する軽量クラッド板の開発を行った。
研究題目 磁気研磨加工の能率改善に関する研究 − ブラシ先端部の磁性粒子挙動の解明 −
研究者 [生産技術部]夏目勝之
研究概要 研磨加工時の砥粒挙動が加工現象に及ぼす影響を調べるため、試験片長手方向に磁性粒子ブラシを擦動させて、発生する砥粒軌跡の長さを測定した。磁性粒子ブラシに供給する加工液の表面張力と軌跡長さが負の相関を示す結果が得られ、ブラシ中心部まで十分浸透する表面張力の小さい加工液が有効であることを示した。
研究題目 インテリジェントシステムに関する研究
研究者 [生産技術部]松下聖一
研究概要 機械の動作音解析を容易にするために、動作音の異状や時間変化を最もよく知る現場作業者にパソコンで採取した音のFFT解析結果を定量的にグラフィカルに表示し、何らかの変化があったときの音とFFT解析結果の関係を明確にしやすいシステムを作成し、稼働させた。
研究題目 セミソリッド成形したマグネシウム合金の腐食特性
研究者 [生産技術部]山岡充昌
研究概要 セミソリッド成形材の腐食特性について詳細に検討することにより、耐食性に優れたマグネシウム合金の作製を目的とした。鋳造材と比較して、セミソリッド成形材が全体的に高い耐食性を示す傾向が認められた。これは、セミソリッド成形材では不動態皮膜の生成と局部的な破壊が発生しているためと考えられる。
研究題目 PKIに関する研究
研究者 [生産技術部]真鍋孝顕
研究概要 PKIは多くの技術の組み合わせによって構成されており導入へのハードルは高いが日増しに重要性は高くなっている。本研究では認証局による証明書の発行、管理するシステムを構築した。ウェブサーバー、メールソフトに証明書を組込み本人確認と暗号化通信の実験により有効性を確認した。
研究題目 メカニカルアロイングを利用したODS‐FeAl材料の作製
研究者 [生産技術部]橋井光弥
研究概要 未還元の水アトマイズFe粉末をAl粉末と共にMA(メカニカルアロイング)処理して固化成形した。このプロセス中に「(Fe+Fe酸化物)+Al→FeAl+Al2O3」の固相反応を起こさせ、「Al2O3超微細分散FeAl材料」を得た。本材料は、同組成の従来材よりも飛躍的に高い硬度を示した。
研究題目 金属強化マグネシウム合金複合材料の変形特性
研究者 [生産技術部]毛利猛
研究概要 強度・剛性とともに延性も兼ね備えるMg合金の創製を目指し金属強化による複合材料について検討した。金属強化材にTi,Ni,鉄,NbおよびTaを用い純Mg,AZ31合金,AZ91合金と複合化したところ、すべての組み合わせで複合化されていることが確認された。ただし、Niのみマトリクスと反応し金属間化合物が生成していた。
研究題目 レーザによる三次元造形に関する研究
研究者 [生産技術部]浅尾文博、清水孝行
研究概要 金属粉末にレーザを照射して三次元形状を造形する実験装置を改良し、加工中の粉末高さの変動を抑えることができた。アルミの粉末にチタンとシリコンを混合して形状の積層造形に最適な混合割合や加工条件を検討し、合金化したビードの組織観察やX線回折、EPMAなどの分析、引張強度などの測定評価を行った。
研究題目 垂直入射型簡易遮音測定箱の検討
研究者 [生産技術部]山内健慈、近藤広文
研究概要 簡易遮音特性評価用の垂直入射型小型測定箱(遮音箱)について測定に必要な領域の検討を行った。箱の開口部から放射される直接音の音響インテンシティレベルと、SUS板を設置したときのレベルを多点で測定した。高周波数では指向的に拡散する様子がみられ、なるべく近い位置で広い領域を測定したほうが良いと思われる。
研究題目 微細な形状の転写に関する研究
研究者 [生産技術部]黒部文仁
研究概要 微細放電加工により形成された微細形状を高精度に転写する方法について検討してきた。今までに打ち抜き加工、モールド加工について加工実験を行い評価してきた。今年度は微細放電加工でマイクロドリルを成形し、プラスチック、アルミニウムなどへのドリル加工を行い、結果を評価した。
研究題目 超軽量構造部材の曲げ強度に関する研究
研究者 [生産技術部]西脇武志
研究概要 発泡アルミニウムなどのポーラス材料を充填した中空構造体の曲げ変形解析手法について検討を行なった。ミクロなセル構造体の材料試験の数値解析を行なうことでマクロなソリッド体としての機械的特性値を算出し、構造体全体の評価を行なった。セル材料や接着強度が構造体の曲げ強度に及ぼす影響についても検討した。

経常研究・材料技術部(15テーマ)

研究題目 化学溶液法とCO2レーザ照射を用いた多孔質アルミナの作製
研究者 [材料技術部]小野さとみ
[資源環境部]増尾嘉彦
研究概要 化学溶液法を用いて合成したアルミナゲル粉体をあらかじめ加熱による重量減少の収束する500℃程度で仮焼して、不要な有機物を取り除いた後にプレス成形し、CO2レーザ照射を行った。その結果、急激な焼成によっても破壊することなく、また有機物の残留のない多孔質α­アルミナバルク体を作製する方法が開発できた。
研究題目 チタニア架橋粘土光触媒の水相中反応における共存陰イオン反応阻害低減技術の開発
研究者 [材料技術部]大岡千洋
研究概要 チタニア光触媒の水相中反応における共存陰イオン反応阻害について、触媒担体材料の等電点の影響を原料粘土を変化させたチタニア架橋粘土をモデルに検討した。ビスフェノールA分解反応において塩素イオンが共存した場合の反応阻害の程度はチタニア架橋粘土の等電点が低いほど小さかった。
研究題目 新しいアルカリ性亜鉛めっきプロセスの開発
研究者 [材料技術部]松本宏紀
[工業研究所]久米道之
研究概要 亜鉛めっき上にアノーダイジング法を用いて高耐食性皮膜を生成するプロセスについて、アルカリ性亜鉛めっき浴を検討した。有機添加剤を全く含まない浴からはアノーダイジング皮膜が生成しなかったものの、現行のジンケート浴に比較して非常に少ない有機添加剤のみで皮膜を作成することが可能であった。
研究題目 ナノ構造を有するCu­Sn合金めっきの開発
研究者 [材料技術部]加藤雅章
[工業研究所]久米道之
研究概要 ニッケル代替めっきとして、銅−40wt%スズ合金めっきの開発をおこなった。食品添加物を主成分としためっき浴により得られためっき皮膜は、銀白色の半光沢外観を有する。さらに光沢のある外観を得るためにはナフトールスルホン酸ナトリウム及びサッカリンナトリウムの添加が有効であった
研究題目 二酸化炭素を用いた新規高分子合成法の開発
研究者 [材料技術部]小田三都郎、福田博行
研究概要 炭酸セシウム、四級アンモニウム塩(触媒)の存在下、二酸化炭素、キシリレングリコール、1,6­ジブロモヘキサンからポリカーボナートを合成した。反応中に含まれる水分量を低くしたところ、比較的穏和な条件下で高分子量のポリカーボナートが得られることがわかった。また、得られたポリマーの耐溶剤性も検討した。
研究題目 塗膜不良の要因解析に関する研究
研究者 [材料技術部]武田卓也、平野幸治
研究概要 レーザー顕微鏡を用いて不良塗膜の観察を行った。アワなどの不良と異物付着の判別は肉眼では難しいが、試料表面を研磨する等の前処理を行い顕微鏡観察すると、両者の区別が可能であった。同様の手法で糸状ブリスターと繊維状異物の判別も可能であった。
研究題目 生分解性樹脂の生分解性評価
研究者 [材料技術部]飯田浩史
研究概要 生分解性樹脂の分解性について検証するために、分解菌の分離培養を行った。畑地や花壇の土壌を生理食塩水に懸濁させた上澄み液をポリブチレンサクシネートを含む寒天培地および液体培地で培養し、4種類の分解菌を単離した。これらの分解菌の分解選択性を調べるため、ポリ乳酸とポリカプロラクトンの分解も検討した。
研究題目 新規感光材料の開発
研究者 [材料技術部]林英樹
研究概要 光反応性を示すSi­Si化合物で架橋されたジフェニルアミン構造を有する新規ポリマーの合成を行い、その特性を調べた。得られたポリマーの化学酸化を行った結果、Si­SiユニットがSi­O­Siユニットへと変換された。また、ポリマーへの光照射を行った結果、Si­Siユニットでの切断が確認できた。
研究題目 金属カチオンを有するイオン性液体の合成
研究者 [材料技術部]石垣 友三、福田 博行
[資源環境部]山中 基資
研究概要 金属カチオンを構成要素に持つイオン性液体の合成について検討した。まず、アルカリ金属塩を溶解しやすく、結晶化し難い樹状ポリエーテル構造を有するモノアルコールを合成した。次に、得られたモノアルコールにプロパンスルトンを反応させ、リチウム塩とすることにより、液体のスルホン酸リチウム塩を得た。
研究題目 生分解性樹脂のブレンド
研究者 [材料技術部]原田征、平野幸治
研究概要 ポリ乳酸とリグニン(LC)とのブレンドについて検討を行った。単純な溶融ブレンドでは相溶化が難しいことがわかった。そこで添加剤を使用してリアクティブプロセッシング法による相溶化を試みた。しかし、LC同士での架橋反応による凝集が観察されることから、この方法でも相溶化が難しいことがわかった。
研究題目 潤滑鋼板のトライボ特性
研究者 [材料技術部]上田直春
研究概要 潤滑鋼板に関するBowden試験による摩擦特性評価を行い、その摩擦挙動に及ぼす滑り速度及び温度の影響について調べた。その結果、以下の結論を得た。摩擦係数μは、滑り速度の変化に伴う影響は比較的受けないが、温度の上昇に伴い、大きな減少傾向を示す。但し、特殊クロメート層を有する試料は、影響を余り受けない。
研究題目 無鉛青銅中のビスマスの蛍光X線分析法の開発
研究者 [材料技術部]酒井光生
研究概要 蛍光X線分析法で無鉛青銅中のビスマスを定量すると、正確な分析法である原子吸光法に比べ、かなり大きな誤差がある。こうした誤差の原因として、熔湯を円柱状の金型へ鋳造する際、試料中のビスマスが円柱の外側に多く偏析する傾向が考えられる。この偏析のパターンと蛍光X線分析法の誤差との関係について検討した。
研究題目 微量有害成分の高精度定量および水熱固化体中の鉛の存在状態評価
(地域結集型共同研究事業)
研究者 [材料技術部]大橋芳明、酒井光生、野々部恵美子、木下武彦、佐藤眞、福田博行
研究概要 都市ごみ焼却灰/消石灰系水熱処理固化体からの鉛の溶出抑制に及ぼすトバモライト生成の効果をDDTCキレート溶出試験法で調べた。その結果、本系ではトバモライトによる鉛の固定化はほとんど認められなかった。昨年度までの結果と併せ、固化体における鉛の存在状態と溶出抑制機構について総合的なまとめをおこなった。
研究題目 化学分析によるチタン合金中のチタンの定量
研究者 [材料技術部]大橋芳明
研究概要 滴定法によるチタンの定量について検討した。キレート滴定ではチタン−過酸化水素錯体の黄橙色のため終点が不明瞭であり、他の指示薬等を用いても同様であった。酸化還元滴定ではバナジウムが妨害するため除去方法についても検討し、水酸化ナトリウムを用いた沈殿分離法により、バナジウムを除去できることが分かった。
研究題目 カチオン(リチウムイオン、銀イオン)導電体を利用した新規デバイスの検討
研究者 [材料技術部]野々部恵美子
研究概要 耐湿性のある銀イオン導電性ガラス60AgI・40Ag3PO4を合成し、室温作動型CO2センサー用の電解質とした。銀イオン導電体を電解質に用い、銀箔を参照極に用いることにより、電流検出型のセンサを構築でき、電位検出型より感度よく測定することができた。銀イオン導電体を用いて電流検出型の他のセンサへの応用も期待できる。

経常研究・資源環境術部(9テーマ)

研究題目 廃食油の分解による資源化技術の開発とその評価
研究者 [資源環境部]村瀬由明
研究概要 バイオマスのうち食品系廃棄物の代表例としてパン残渣を選定し、この酵素分解反応によって得た糖混合物と、廃食用油の分解物から合成した酸塩化物を使用して糖エステル型のノニオン系界面活性剤を合成し、その界面化学的性質を評価した。合成物は市販品とほぼ同程度の界面活性であった。
研究題目 難分解性物質の微生物処理
研究者 [資源環境部]丹羽淳
研究概要 P.geastrivorus NM10b固定化担体を用い、フミン酸含有廃水を30℃、滞留時間24時間、バッチ式で10日間連続処理した結果、脱色率は34%から46%であった。
P.validus B32固定化担体を用い、防カビ剤オルトフェニルフェノール含有廃水を同様な条件で14日間連続処理した結果、処理率は82.8%から100%であった。
研究題目 金属材料の耐食性向上およびその評価に関する研究
研究者 [資源環境部]吉田和敬
研究概要 金属の一時防錆にかかるコスト低減化を目的として、磨き鋼をアルカリ溶液中で高温処理することにより黒色皮膜を生成させる表面処理方法について検討した。酸化剤の種類・濃度を変化させることで従来法よりも低い温度での処理が可能となり、エネルギーコストの削減が可能となった。
研究題目 難分解性物質の微生物処理に関する研究
研究者 [資源環境部]伊藤清治
研究概要 アゾ色素分解菌のP.stutzeriを付着した生物活性炭法を用いて、廃水中のアゾ色素の分解除去を検討した。P.stutzeriを活性炭上に付着することで、懸濁状態のP.stutzeriでは分解できないスルホン基置換アゾ色素が分解除去可能になった。複数の要因によりアゾ色素の微生物分解性が向上すると考えられた
研究題目 コンビナトリアルアプローチに基づく新規オイルゲル化剤の開発
研究者 [資源環境部]中野万敬
[材料技術部]平野幸治
研究概要 キラルなカルボン酸6種類と長鎖アルキル基を有するアンモニウム塩10種類から60種類のカルボン酸アルキルアンモニウム塩を合成し、そのゲル化能を水を含めた12種類の溶媒について調査した。48種類の化合物が少なくとも1種類の溶媒をゲル化することを見つけ、ゲル化に適した分子構造を明らかにした。
研究題目 生分解性をもつ機能性高分子材料の合成に関する研究
研究者 [資源環境部]朝日真澄
研究概要 本研究では糖を連結核としたネットワークポリマーを合成し、その膨潤性能や生分解性について評価することを目的としているが、今年度は連結材としてポリ乳酸及びポリペプチドを利用したポリマーの合成を行い、それぞれの連結材と糖との連結体を合成する方法を確立することができた。
研究題目 長寿命設計のための微小領域ひずみ測定技術の開発
研究者 [資源環境部]二村道也
[材料技術部]平野幸治、林英樹
研究概要 顕微ラマン分光法を用いて微小領域のひずみ測定を可能にするため、均質かつ安定したジアセチレン化合物の製作方法について検討した。ラマンスペクトル測定の結果、柔軟な部位を多く有するジアセチレン化合物は均質かつ良好な密着性を示し、応力・ひずみセンサに適した膜形成が可能となった。
研究題目 ラマン分光を用いた炭素繊維強化複合材の疲労特性改善に関する研究
研究者 [資源環境部]二村道也
研究概要 炭素繊維/エポキシ複合材の疲労破壊起点となる繊維/マトリクス界面のはく離を防ぐことを目的に、加熱処理(ポストキュア)による界面せん断強度の向上を試みた。ラマン分光法を用いて単繊維モデル複合材の界面せん断強度を測定した結果、加熱硬化により界面せん断強度が向上することが分かった。
研究題目 プラスチック発泡体における力学特性に関する研究
研究者 [資源環境部]足立廣正
[生産技術部]長谷川照夫
研究概要 独立気泡ポリエチレンフォームを用いて動的粘弾性パラメータである動的弾性率の時間変化を測定し、耐熱性の評価方法について検討したところ、測定開始時間から動的弾性率が50%低下する時間をt(min)とした常用対数logtと絶対温度(T)の逆数とは直線関係にあることがわかった。

経常研究・電子情報部(10テーマ)

研究題目 固体電解質薄膜を用いたガスセンサ構造の開発
研究者 [電子情報部]山田範明
研究概要 NdをドープしたCeO2は酸素イオン伝導体であり、酸化物を含むガスセンサへの応用が期待できる。酸化物固体電解質を用いたガスセンサの開発を目的として、固体電解質であるNdをドープしたCeO2薄膜を作製した。イオン伝導体および電極の薄膜を作製し、電極構造を検討した。
研究題目 導体抵抗測定によるはんだ接合部の接続信頼性評価技術
研究者 [電子情報部]林幸裕
研究概要 温度サイクル試験中にはんだ接合部の導体抵抗を測定する手法により、CSP実装基板のはんだ接続信頼性を評価した。CSP端子数、ソルダーレジスト仕様による違いは認められなかった。無電解NiAuめっき処理はCuプリフラックス処理よりも接続信頼性が低くなり、下地Ni中のPが接合界面に濃縮層を形成したためと考えられる。
研究題目 音場計算のための数値シミュレーション技術の改良に関する調査研究
研究者 [電子情報部]奥村陽三
研究概要 定常音場計算に用いられる高速多重極境界要素法は、多重極の多段化により一層の効率化が達成できるが、その変換操作は複雑であり効率的実装は容易ではない。そこで1段の多重極のみを用いた高速な計算手法について検討し、多重極間の影響の計算において考慮すべき平面波の数をできる限り少なくするアルゴリズムを考案した。
研究題目 カメラサーバー構築技術に関する研究調査
研究者 [電子情報部]黒宮明
研究概要 カメラサーバーに必要な画像圧縮や通信プログラムおよびサーバーの小型化、省電力化について調査した。さらに、配信する画像のコマ数や解像度を動的に変化させる方法について幾つか調べた。配信プロラムを作成することで、通信部分の詳細を調べることができた。
研究題目 プロセスアセスメントのシステムモデルに関する研究
研究者 [電子情報部]小川清
研究概要 ISO 9000, ISO 14000における改善に対して、ISO/IEC 15504がどのように役立つかを明確にし、具体的な簡易診断を実施した。
研究題目 自動車向け通信プロトコルに関する研究
研究者 [電子情報部]小川清、斉藤直希
研究概要 自動車用内において、有線のプロトコルの機能を調査し無線で実現しする場合の課題について調査し、無線と有線の通信プロトコルの比較をするための基礎的な検討を行った。
研究題目 組込みシステム向け言語処理系に関する研究
研究者 [電子情報部]斉藤直希、小川清
研究概要 組込みシステム向けソフトウェア部品を対象としてコンフィギュレータの試作および評価を行った。また、オリジナルのコンフィギュレータを作成する際に必要となる情報について整理した。ソフトウェア部品としてCANおよびLINデバイスドライバを対象とした。
研究題目 生産スケジューリングと再スケジューリングに関する研究
研究者 [電子情報部]青木猛
研究概要 本研究では、生産工程をコンピュータ上でシミュレーションできるようモデル化し、生産計画(スケジューリング)および再計画(リスケジューリング)を行い、工程の最適化を図るとともに1工程にかかる作業時間の変化が全体に及ぼす影響(感度)を検討した。
研究題目 ソフトコンピューティングを用いた作業ロボットに対する教示
研究者 [電子情報部]井谷久博
研究概要 本研究では、新しいタスクや未知の環境下におけるロボットによる再学習の効率化と人間の教示の負荷の低減を目指して、人間からロボットへの教示方法とロボットによるスキルルールの獲得方法について考察した。今年度は前年度に考案したタスクを遂行するロボットシステムに対する教示システムを考案した。
研究題目 生分解性樹脂のブレンド
研究者 [電子情報部]小田究、山田範明
研究概要 温度特性の把握を必要とする電子計測の課題として、赤外線加熱炉を用いた400℃までの高温インピーダンス計測を行った。赤外線加熱の利用で問題となる被加熱物温度の確度を調べるため、Niのコアにトロイダル巻線を施した試験体について調べた結果、Niの強磁性転移を含め、その特性を反映した振舞が確認できた。
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