名古屋市工業研究所

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研究報告

平成15年度研究報告

重点研究 (3テーマ)

事業名 機器から発生する不快な音の改善と低騒音化の研究(音源探査と音質評価による低騒音化・音質改善の研究および技術指導)
担当 [生産技術部]山内健慈、近藤広文、
[研究企画室]山下菊丈
補助事業名 公設工業試験研究所の設備拡充補助事業〈日本自転車振興会〉

1.目的

一般機械や輸送機械等の騒音対策においては、音圧レベルや騒音レベルの低減を目標とすることが多い。騒音レベルによる評価は、簡便なため騒音測定などによく用いられている。しかし騒音レベルはあくまで人の聴覚特性への近似であり、騒音レベルが同じ大きさの音でも音色の違いにより感じ方が全く異なることもある。法規制などを除き低騒音化においては、騒音レベルの低減ばかりではなく、うるさくないようにすること、より気にならない音、好ましい音へと音質を改善することも効果的で、これにより騒音を和らげることができれば、過剰な対策コストを抑えることも可能となる。本事業では、耳につく音を発生していたタワー型のパソコンに対し、騒音レベルの低減ではなく特定の周波数成分に注目して、なるべく気にならない音に改善することを試みた。パソコンから発生する音の音質評価と音源探査をもとに不快な音の対策を行い、低騒音化の効果を確認した。

2.内容

パソコンの作業位置近傍での不快音対策のため、音質の評価を行った。雑音性の低い音や高周波数域での定常音に混じって、2kHz付近の純音性で時間とともにレベルが変化する音が聞き取れた。この2kHz付近には他に大きな周波数成分はなく、小さなレベルであっても純音が耳につきアラーム音のように聞こえる。そのため、背面の電源ファン部からの騒音が大きいことはわかっていたが、この周波数成分の方を優先して対策すべきであると判断した。音響インテンシティ測定から、パソコン前面中央部の音響インテンシティレベルが大きく、ハードディスクユニットが主要な音源となっていることがわかった。そこで前面の鋼板製筐体にアルミシートを貼り付け、部分的に遮音レベルを向上させたところ、2kHz付近の成分について評価位置でのレベルを低減することができた。また音響データの再生による聴感上の比較でも改善されていることが確認された。

3.成果

騒音レベルを低減しなくても、音源探査と音質評価技術を利用した特定の周波数成分の対策で効果的に騒音を和らげられることが確認できた。この研究をとおして当地域の機械分野の中小企業の技術指導および育成に努め、技術水準の向上に寄与することができた。

4.設置機器

機器名称 型式・性能 製造所名 設置年月日
音源探査および心理音響評価システム SY3560 ブリュエル&ケアー社 H16.3.10

 

事業名 環境と協奏する新しい亜鉛めっきシステムの開発
担当 [材料技術部]三宅猛司、松本宏紀、加藤雅章、西保夫、久米道之
補助事業名 中小企業技術開発産学官連携促進事業〈中小企業庁〉

1.目的

昨今の環境問題に対する関心の高まりにより、めっき排水をゼロにする無排水処理めっきシステムの開発が望まれている。無排水処理めっきシステムを構築するにはめっき液のリサイクルが必要となる。そのためには、リサイクルが容易な単純なめっき浴組成の開発が火急の課題であると同時に、亜鉛めっき皮膜特性も従来と比べ同等以上であることが望まれる。めっき皮膜の性能を向上させる方法として、析出する結晶を微細化できるパルス電解法が挙げられる。本事業では、無排水処理めっきシステムの構築に適した亜鉛めっき浴組成の開発およびパルス電解法によるめっき皮膜特性について検討した。

2.内容

塩化亜鉛めっき浴を基本浴(ZnCl2:70gl­1、KCl:200gl­1、H3BO3:30gl­1)とし、添加剤として市販されている試薬を組み合わせた有機系添加剤を使用した。めっき皮膜の作製はパルス電解法を用いた。得られた亜鉛めっき皮膜の表面形態、皮膜中の組成分析、皮膜耐食性について検討した。

3.成果

塩化亜鉛めっき浴に有機系添加剤を添加しためっき浴から得られためっき皮膜の表面形態を観察すると、期待したように結晶が緻密に析出していることがわかった。また、皮膜の組成分析をしたところ、有機系添加剤を添加しためっき浴から得られためっき皮膜からカーボンが検出された。コントロール実験との比較から、添加した有機系添加剤が皮膜中に取り込まれることにより、皮膜の表面形態が変化したものと推察される。さらに、亜鉛めっき皮膜の裸耐食性について赤錆発生までに要する日数を調べた。その結果、市販されている亜鉛めっき用添加剤を用いた場合と比べ、開発しためっき浴から得られた亜鉛めっき皮膜の方が優れた耐食性を示した。

4.設置機器

機器名称 型式・性能 製造所名 設置年月日
非破壊式膜厚測定器 フィッシャースコープMMS­S (株)フィッシャー・インストルメンツ H16.1.20
パルス電源装置 HCP­301H 北斗電工(株) H15.12.4

 

事業名 環境にやさしいステンレス軸受の開発
担当 [生産技術部]松井則男、毛利猛、内藤寛、大村博彦
補助事業名 技術開発研究費補助事業〈中小企業庁〉

1.目的

含油軸受には摺動特性を向上させる目的で通常、固体潤滑剤が添加されており、摺動特性が最も良好な材料は鉛(Pb)である。しかし、国際的なPb規制の流れから、黒鉛などが代替材料として用いられているが、Pbより特性が劣るのが現状である。また、含油軸受を組み込む軸への配慮から、含油軸受の材質とし青銅系などが用いられており、含油軸受に錆が発生するという問題点もある。本事業では、(1)フェライト系ステンレス鋼を材質とした含油軸受の開発、(2)Pbに代わる摺動特性に優れた材料の研究およびステンレス製含油軸受への応用、について今年度は放電プラズマ焼結(SPS)法によって調べた。

2.内容

当所でメカニカルアロイング(MA)法で作製したFe­13%Cr組成のMA粉末および市販のSUS410L粉末を用いて、試料サイズが外径12mm内径6mm高さ6mmで、圧環強度が200MPa以上かつ気孔率が約20%のリング状多孔質焼結体を、1回のSPS処理で4個の焼結体を作製できる黒鉛型を使用して作製した。作製した焼結体内径面の表面粗さなどを調べ、さらに圧環強度および気孔率を測定した。軸への攻撃性の観点からPbの代替材料とステンレス粉末が反応して化合物を生成することは好ましくないため、MA粉末およびSUS410L粉末の含油軸受として最適な焼結温度にて、代替材料と両粉末の反応の有無を調べた。代替材料としてはA、B、C、D、E、FおよびGを選択した。知的所有権の申請を検討しているため、材料名をアルファベットで表記した。化合物を生成しなかった添加材料について、摺動試験を行った。

3.成果

荷重は4.9kN、焼結時間は180sで一定として、焼結温度を変化させた結果、MA粉末では、焼結温度が1023Kの時に圧環強度は332MPa、気孔率は23.7%、硬度はHRF74を示し、また、SUS410L粉末では、焼結温度が1223Kの時に圧環強度は242MPa、気孔率は23.4%、硬度はHRF76を示した。既存の方法と比較して、SPSを用いることで焼結温度が150K低くなり、焼結時間は1/40と大幅に短縮することができた。また、内径の作製には、黒鉛よりもジルコニアを使用した方が長寿命で、表面粗さと気孔の形成状態も優れていた。表面粗さの観点では、サイジングを省けることがわかった。代替材料は、MA粉末ではA、B、D、G、SUS410L粉末ではA、B、Dが化合物を生成しないことが確認できた。このうち、MA粉末で所定の強度に達したBおよびGについて、無含油状態の摺動特性を調べる初期なじみ試験を行った。試験荷重4.9Nを負荷し、軸の回転数は2000r.p.m.とした。その結果、Gを添加した材料が最も優れた摺動特性を示した。

4.設置機器

機器名称 型式・性能 製造所名 設置年月日
放電プラズマ焼結機 SPS­515L 住友石炭鉱業(株) H16.1.9
分析機能付走査電子顕微鏡 SSX­550 (株)島津製作所 H16.1.22
遊星型ボールミル LP­4 (株)伊藤製作所 H16.1.5

指定研究(7テーマ)

研究題目 粉末冶金法を利用したエコ型熱電材料製造プロセスの開発
研究者 [生産技術部]橋井光弥、山田隆志、児島澄人
[材料技術部]大岡千洋
[電子情報部]山田範明
研究概要 廃熱利用発電に応用できる熱電材料の製造プロセスを研究テーマとした。本研究では、エコロジータイプでかつ原料安価のb-FeSi2およびMnSi1.7に注目した。この両熱電材料の低コスト製造プロセスを開発することが目的である。両者とも、溶解法では、偏析や難加工性の問題があり製造困難な材料である。そこで、粉末冶金法を利用した。特に、急冷凝固効果と低コスト化を狙って、アトマイズ粉末を用いた。b-FeSi2では、水アトマイズ粉末を利用することで包析反応を回避でき、長時間熱処理や長時間粉砕処理工程を省いた低コスト製造プロセスを確立できた。MnSi1.7でも、「バインダー添加→冷間圧粉→脱脂→無加圧焼結」という低コスト製造方法の有効性が確認できた。いずれも、他の研究例と比較して実用化の実現性が大きいプロセスと考えられる。
研究題目 新規高分子固体電解質の開発
研究者 [材料技術部]石垣友三、野々部恵美子
[電子情報部]山田範明
研究概要 種々の長さのオリゴエチレングリコールの両末端に長鎖アルケニル基であるオレイル基とスルホン酸基を有する化合物のリチウム塩を合成し、0〜80℃の範囲でそのイオン導電性を評価した。40℃以上ではポリエチレンオキシド鎖の長いものほど導電率が高かった。40℃以下ではポリエチレンオキシド鎖の長いものは急激に導電性が低下した。示差走査熱量測定において、いずれの化合物でも20〜50℃の温度範囲に相転移による吸熱ピークが観測された。ポリエチレンオキシド鎖の長いものでは1つの鋭い吸熱ピークが観測されたのに対し、短いものではブロードな2つのピークが観測された。ポリエチレンオキシド鎖の長いものでの急激な導電率低下は、その明確な相転移現象に起因するものであり、X線回折においても自己組織化構造の形成を確認することができた。
研究題目 プラスチックの分別技術に関する研究開発
研究者 [資源環境部]秋田重人
[材料技術部]木下武彦、岡本和明
研究概要 多岐にわたるプラスチックの分別法の中、比重差を利用した方法は簡便で粉砕品の分離に広く利用されている。しかしながら、現状ではその対象は限られており、精度も満足のいくものではない。本研究では流動層湿式比重分別法をプラスチック混合物に適用し、分離に与える操作条件の影響を検討した。複数の取り出し口を有するガラスカラムに比重が1.0以上の樹脂ペレット二種を充填し、微量の界面活性剤を添加して脱気した。その後、下方より適当な流量で通水して樹脂層を流動化状態とし、樹脂サンプルを比重差に従って成層化した。各樹脂の層は適当な高さに位置する取り出し口から順次回収した。この単純な方法により高精度な分別が迅速に達成された。比重差が小さい樹脂の分離においても、分別操作を繰り返すことにより満足のいく精度が得られた。
研究題目 生分解性プラスチックと粘土鉱物の有機無機ナノコンポジットに関する研究
研究者 [材料技術部]岡本和明、平野幸治
[資源環境部]中野万敬、二村道也
研究概要 生分解性プラスチックであるポリブチレンサクシネート(PBS)の生分解性を損なわずに物性を改善することを目的に、クレイとのナノコンポジット化について検討した。PBSとアルキルカチオンで表面修飾したクレイとを二軸押出機を用いて溶融混練し、コンポジットを調製した。得られたコンポジットについて広角X線回折、透過電子顕微鏡写真による構造解析と、剛性率測定・引っ張り試験・ガスバリア性試験などの物性解析を行った。コンポジットの構造はクレイの種類や添加量に依存した。樹脂中でクレイがほぼ完全に剥離したナノコンポジットとクレイが端面で結合した構造をとるものとでは物性が大きく異なり、樹脂中でクレイが形成するナノ構造がナノコンポジットの物性にとって重要であることがわかった。
研究題目 燃料電池の開発
研究者 [電子情報部]宮田康史、高橋文明
[材料技術部]大岡千洋
研究概要 エネルギー変換効率が高く、環境特性に優れた燃料電池は幅広い分野において次世代電源として有望視されている。本研究では電池の周辺機器を省略し、自立制御による発電が可能な燃料電池を検討した。構成部材の伝熱と水分透過性の測定を行い、余剰熱と水分を制御する多層膜を開発し、電池内に設けることで安定した発電が可能となった。さらに、携帯用途を指向して水素燃料に替えて液体燃料を直接利用できる燃料電池を開発した。アルコール系燃料としてメタノールを用い、総量0.6mgの白金触媒で45mW/cm2の発電を達成した。しかし電解質膜の燃料透過により燃料利用効率は約50%と低く、特性向上には膜の改良が必要であることが明らかになった。エタノール利用ではメタノールに比べ、1/4の出力ながら発電が可能となった。低温でのエタノール触媒活性を向上させれば毒性の低い液体燃料による携帯電源の実用化が期待できる。
研究題目 新規生体関連複合材料の開発
研究者 [材料技術部]柘植弘安、西保夫、小野さとみ、林英樹
研究概要 ハイドロキシアパタイト(以降HAp)は人工骨や人工歯根に利用される有用な生体材料であるが、強度や作製法に難点がある。これを克服するために、化学修飾HAp粒子を用いる金属基板のコーティングを検討した。まず、HAp粒子にジイソシアネートとアミノ基含有シランを作用させ、粒子表面にアルコキシシリル基を導入した。続いて、得られたHAp誘導体を水および酢酸を含むエタノールに懸濁させ、シリル基の加水分解を行って前駆体溶液を作製し、これを用いてチタンおよびステンレス鋼(SUS316L)をディップコーティングした。得られた膜に対し、SEMによる表面観察とピーリング試験を行った結果、特に分子内にウレア結合を有するHAp誘導体において、両金属表面上に密着性の高いコーティング膜を作製することができた。
研究題目 難分解性物質の微生物処理
研究者 [資源環境部]梶田勉、丹羽淳、伊藤清治
研究概要 廃水中に含まれるポリフェノール類及びアゾ色素を対象として、これらを分解可能な微生物を利用した効率的な廃水処理法の検討を行った。防かび剤o-フェニルフェノール分解菌Paenibacillus SP. B32固定化担体を用い、食品由来のポリフェノールである赤キャベツ色素、ブドウ果皮色素およびカテキンをそれぞれ30ppm、30ppm、20ppm含む人工廃水の処理を行った。20時間処理後の脱色率は89.4%でありB32株はこれらのポリフェノールの処理も可能であった。アゾ色素分解菌P.stutzeriを用いた生物活性炭処理法によりアゾ色素含有廃水の処理を行った。廃水中の色素は、コントロールでは主にSSへの吸着、分解菌を用いた場合には生分解され脱色されていた。アゾ色素含有廃水に1ヶ月間馴養した分解菌と保存株によるアゾ色素の脱色能を比較した結果、馴養した分解菌は保存株に比べ約2倍の脱色能を示した。

共同研究(7テーマ)

研究題目 次世代電子機器に対応した実装技術に関する研究(中部エレクトロニクス振興協会)
研究者 [電子情報部]竹尾隆、加藤峰夫、野呂重樹、月東充、伊藤治彦、林幸裕、高橋文明、白川輝幸、小田究、梶田欣
[資源環境部]三宅卓志、二村道也
研究概要 電子機器の小型軽量化・高機能化に伴って、高密度実装技術や電磁ノイズ対策技術が要求されている。こうした背景を踏まえて、本研究では、まずCSPなどの高密度パッケージを鉛フリーはんだを用いて実装した基板について落下衝撃に対する接合信頼性を評価した。はんだ組成ごとに、はんだのボイドや基板表面処理との関係を濡れ広がり性も含めて検討した。次に、GHz帯における電子機器筐体開口部の電磁シールド性能を評価した。丸穴及び角穴について、その寸法、形状、個数と、シールド性能との関係を定量的に予測する式を実験的に導いた。また、電子機器筐体に対する簡易な温度予測手法についても検討した。まず、水平、垂直の両方の配置に対して2次元的な熱源を想定して平板についての予測式の妥当性を評価し、そのあとこれを3次元へと拡張して筐体に対する簡易温度予測式を導くことができた。
研究題目 ニッケル代替ナノ結晶銅―スズ合金めっきの実用化に関する研究開発(愛知県鍍金工業組合)
研究者 [材料技術部]久米道之、西保夫、三宅猛司、松本宏紀、加藤雅章
研究概要 ニッケル代替めっきとして銅−40wt%スズ合金めっきが有望である。現在市販されている銅−スズめっき浴はシアン浴であり、環境・作業性の点から非シアン浴の開発が望まれている。そこで、食品添加物のトリポリリン酸ナトリウムを錯形成剤とした銅−スズ合金めっき浴の開発をおこなった。錯形成助剤としてクエン酸ナトリウムおよびグルコン酸ナトトリウムを添加した。浴中の銅とスズの濃度を0.08Mおよび0.12Mとして、電流密度を 0.8〜2.0A/dm2の範囲で電析すると銅−37wt%スズ合金めっき皮膜が得られた。さらに光沢剤を添加すると、光沢ニッケルと同程度の光沢を有するめっき皮膜を得ることができた。光沢剤の有無にかかわらずめっき皮膜の結晶粒径はおよそ40nmであるが、光沢剤の添加によって表面粗さが小さくなることが明らかになった。
研究題目 複合プロセスによるマグネシウム合金の成形性の向上(名古屋大学)
研究者 [生産技術部]毛利猛
研究概要 圧延したマグネシウム合金を密着曲げ試験すること、また、鍛造および圧延したマグネシウム合金を絞り加工をすることにより、塑性加工したマグネシウム合金の2次加工性について検討した。圧延予熱温度が低温ほど、また、全圧下率が低いほど良好な曲げ特性を示した。圧延予熱温度が低いと非常に微細な再結晶粒と粗大な未再結晶粒の混粒組織となっており、この組織によって良好な密着曲げ特性を示したものと考えられる。鍛造温度673Kおよび523KのZK60鍛造板および圧延予熱温度673Kおよび523KのZK60圧延板を用い、厚さ1.0mm,ブランク直径50mmの板について型温度623Kおよび523Kで絞り試験をした。ポンチ直径は33mmで、絞り比は1.5になる。すべての鍛造板で絞りは可能であった。また、比較材(市販のAZ31圧延板)では耳が発生したが、ZK60圧延板および鍛造板ではほとんど発生しなかった。
研究題目 泡沫分離法に関する研究開発(名古屋大学)
研究者 [材料技術部]木下武彦
研究概要 非イオン性界面活性剤を含んだ金の塩酸水溶液に泡沫分離法を適用し、操作因子の最適化を図る事を目的として、回分操作のデータを基にして連続操作による金の塩酸溶液からの分離濃縮回収およびその性能予測の検討を行った。回分操作における泡沫表面上の金の吸着密度を計算し、その界面活性剤を介した金と気泡の吸着関係は、G x107 = 10.3 [Au]b0.39 で表され、フロインドリッヒ型である事がわかった。この式と連続操作の物質収支式を用いて、連続操作における金の回収率および濃縮比を計算した処、実験結果と非常に良い一致を見せた。これにより本手法の性能予測が可能である事が判った。また非実装プリント基板の王水浸出液を希釈して泡沫分離を行った。泡沫分離後の回収液からは、銅とニッケルは濃縮されず回収率は13%前後であったが、金の回収率および濃縮比は98.7%および8.7と高い選択性を示した。
研究題目 生分解性をもつ機能性高分子材料の合成に関する研究(名古屋工業大学)
研究者 [資源環境部]朝日真澄
研究概要 疎水性の生分解性ポリマー(ポリカプロラクトン)と親水性の生分解性ポリマー(ポリエチレンオキシド)とを糖を架橋点として三次元的に連結したネットワーク状ポリマーを合成し、膨潤性や生分解性等の物性について検討した。合成したネットワークポリマーは水に対して、ポリエチレンオキシドとポリカプロラクトンの分子量比が1:2のもので約2倍、7.5:2のもので約7倍の膨潤率を示した。膨潤率は水中に添加した電解質の濃度の上昇に伴い低下した。酸性溶液中では膨潤率はほとんど変化しなかったが、アルカリ性溶液中ではポリマーが徐々に分解することによる膨潤率の低下が見られた。TGによる熱分析では含水した水分を約100℃で完全に放出した。ポリマーの生分解性を活性汚泥法により調べたところ、約5日後から生分解性が促進され1ヶ月で約70%生分解されるのが分かった。
研究題目 環境調和型ナノ組織化材料の開発―新規機能性界面活性剤の創製―(名古屋大学)
研究者 [資源環境部]山中基資
研究概要 デンドリマーとは規則的な分岐構造を有し、ナノスケールでの分子設計が可能な高分子であり、その構造的特長からナノ組織化材料への応用が期待できる。分規鎖部分にエーテル結合、中心部に水酸基を有し、末端部分にエチル基・イソプロピル基・ブチル基を有する四末端型両親媒性脂肪族ポリエーテルデンドロンを調製した。調製したデンドロンのうち水溶性を示したものの水溶液の表面張力測定を行った。四末端型デンドロンはより末端数の少ない二末端型デンドロンよりも低い濃度で表面張力を低下させる事ができた。
研究題目 ナノアセンブリシステム技術の開発(名古屋大学)
研究者 [電子情報部]伊藤治彦
研究概要 プラズマプロセスを利用した自律型ナノ製造装置に必要なラジカル・イオン計測システムに用いるための小型光源について検討を行った。現在、CF2など一部のラジカル測定に使われている光源は、比較的大型なキセノンランプであるが、電極構造に検討を加えて小型化が容易な構造とした。キセノン充填化で、試作した電極を用いたところアーク放電が可能であることを確認した。さらに、発光スペクトルを測定した結果、従来のキセノンアークランプと相似なスペクトルを有していることが確認でき、代替えとして利用できることが分かった。また、検討した光源はグロー放電も可能であり、ホロカソードランプとしても利用できるこ とも確認できた。今後、さらなる小型化に関する検討を行うことにより、商業用のプロセスチャンバへの計測システムの導入も進むと考えられる。

経常研究・生産技術部(9テーマ)

研究題目 難加工性金属材料の熱間成形の検討について
研究者 [生産技術部]児島澄人
研究概要 軽量化や高機能化の目的で、従来材料から新規の材料への転換が求められている。しかし、その多くのケースで加工が困難な問題が生じている。その解決法の一つとして熱間成形による加工性の改善を検討した。軽量材料や生体材料など多岐の利用があるチタン合金の加工について、熱間成形を行った。780℃の高温域で、底辺と高さがほぼ同じであるカップ状の張出し成形ができた。
研究題目 磁気研磨加工の能率改善に関する研究− 磁性砥粒ブラシの垂直作用力の特性 −
研究者 [生産技術部]夏目勝之
研究概要 磁気研磨加工においてより能率の高い加工条件を探るため、磁性砥粒ブラシ作用力の強度を各種条件下で測定し、その特性を検討した。数種類の加工液を使って比較実験を行ったところ、磁極回転開始後の垂直方向作用力の増加量が加工液の種類によって異なることがわかった。
研究題目 インテリジェントシステムの応用に関する研究
研究者 [生産技術部]松下聖一
研究概要 本年度は大量のデータを体系的に扱う手法について検討し、FFT解析結果の数十MBのデータ数百個を体系的に扱い、一括して統計的処理を行うことが可能なソフトを作成した。これにより、特徴データの変化を追うことが容易となり、一部の周波数帯では最大値の変化の他にピークの移動があることが確認できた。
研究題目 セミソリッド成形したマグネシウム合金の腐食特性
研究者 [生産技術部]山岡充昌
研究概要 セミソリッド成形材の腐食特性について詳細に検討することにより、耐食性に優れたマグネシウム合金の作製を目的とした。鋳造材と比較して、セミソリッド成形材が全体的に高い耐食性を示す傾向が認められた。これは、セミソリッド成形材では不動態皮膜の生成と局部的な破壊が発生しているためと考えられる。
研究題目 FAネットワークに関する研究
研究者 [生産技術部]真鍋孝顯
研究概要 ワームやウィルスの被害を避けるためにセキュリティを考慮した通信が重要となってきている。そのための基本技術として公開鍵暗号を基本とした暗号化通信の検討を行なった。ヴァーチャル・プライベート・ネットワークによる接続は実装による差異が多く、不安定であるが、有効性を確認できた。
研究題目 強磁場印加法による新規複合めっき皮膜の作製
研究者 [生産技術部]山田隆志
研究概要 分散粒子を添加しためっき浴に強磁場印加しつつ電解を行うことで複合めっき皮膜を得る。本手法は従来法では実現できなかった、めっき皮膜内での粒子の分布制御を可能にする。すなわち、分散粒子をランダム、またはハニカム状に分布、あるいは、陰極表面に付けた条痕に沿って粒子を配列させた複合皮膜が得られる。
研究題目 レーザによる三次元造形に関する研究
研究者 [生産技術部]浅尾文博、清水孝行
研究概要 金属粉末にレーザを照射してできるビードの積層により三次元形状を造形する装置を試作し、チタンやステンレスの造形物を加工した。アルミの粉末を用いて、基板による差異とチタンやシリコンを混合した場合のビード形状の変化を検討し、積層化が可能な条件を求めた結果簡単な形状が造形できた。
研究題目 微細な形状の転写に関する研究
研究者 [生産技術部]黒部文仁
研究概要 放電加工法は加工速度が遅く、製品を量産するには向いていない。そこで超微細放電加工機を用いて加工された微細3次元形状を精度よく転写する方法について調査してきた。転写された3次元形状の寸法精度誤差を測定して誤差要因を考察し、金型への応用展開が可能かどうかを検討した。
研究題目 超軽量構造部材の圧縮強度に関する研究
研究者 [生産技術部]西脇武志
研究概要 軽量で高強度な部材として、セル構造体を中空部材に充填した複合部材を取り上げ、その圧縮強度について検討した。セル壁をアルミニウムとしたセル構造体の変形解析を行うことで応力-歪曲線を算出し、さらにそのセル構造体を充填した鋼製部材の圧縮強度・挙動を有限要素法を用いた解析により検討した。

経常研究・材料技術部(13テーマ)

研究題目 化学溶液法による機能性セラミックス材料の合成
研究者 [材料技術部]小野さとみ、柘植弘安、西保夫
研究概要 ポリマーとしてポリメタクリル酸メチルやポリビニルブチラールを用いて、ステンレス基板上へのシリカ・ポリマーハイブリッドコーティングについて検討した。25℃〜200℃という低温での加熱処理により作製した厚さサブミクロンのコーティング皮膜が、耐腐食性を著しく向上させることに有効であることがわかった。
研究題目 チタニア架橋粘土光触媒の製造プロセスの検討
研究者 [材料技術部]大岡千洋
研究概要 チタニア架橋粘土光触媒の乾燥方法を恒温乾燥、スプレードライ、フリーズドライと変えて、光触媒の細孔構造に与える影響を検討した。その結果、乾燥方法の違いが細孔構造に与える影響は原料粘土の粒径によって異なり、原料粘土の種類と光触媒の応用目的に応じて乾燥法を選ぶ必要があることが明らかになった。
研究題目 亜鉛めっき上アノーダイジング皮膜生成技術の確立とその応用
研究者 [材料技術部]松本宏紀、久米道之
研究概要 亜鉛めっき上にアノーダイジング法を用いて生成する高耐食性皮膜について、より実用的な皮膜の作成を目指して浴組成及び電解条件の検討を行った。主成分を従来のケイ酸浴からスズ酸浴に変えることにより皮膜の薄膜化及び表面粒子の微細化が可能であることを明らかにした。
研究題目 ナノ構造を有するCu-Sn合金めっきの開発
研究者 [材料技術部]加藤雅章、久米道之
研究概要 ニッケル代替めっきとして、銅−40wt%スズ合金めっきの開発をおこなった。食品添加物を主成分としためっき浴により得られためっき皮膜は銀白色の光沢を有し、この皮膜の結晶粒径は40nmで、硬度は500Hvにも達した。また高い耐食性を示すことから、ニッケルめっき代替として十分な特性を有することがわかった。
研究題目 二酸化炭素を用いた新規高分子合成法の開発
研究者 [材料技術部]小田三都郎
[資源環境部]福田博行
研究概要 二酸化炭素を原料に用いるポリカーボナートの合成について検討した。炭酸セシウム、テトラブチルアンモニウムブロマイド存在下、キシリレングリコール、ジブロモヘキサン、二酸化炭素の反応を行うと、数平均分子量が10,000前後のポリカーボナートが高収率で得られることがわかった。
研究題目 塗装不良の要因解析に関する研究
研究者 [材料技術部]武田卓也、平野幸治
研究概要 被塗物に付着した油状異物を原因とする不良塗膜の原因追及方法について検討した。ハジキが発生した場合、周辺箇所から原因異物が検出されることがあるが、これは油状異物と塗料の表面張力の差によるものである。また不揮発性の油状異物の付着でもハジキ以外のブツ、凹み等の不良原因となることがわかった。
研究題目 光合成タンパク質の薄膜の二次元分子構築の作製
研究者 [材料技術部]飯田浩史
研究概要 光合成タンパク質を光機能性材料として利用するために、光合成タンパク質の基板上への配列化をスピンコート法により試みた。原子間力顕微鏡(コンタクトモード)による観察から、10nmのタンパク質の粒子を確認することができた。
研究題目 生分解性樹脂の生分解性評価
研究者 [材料技術部]飯田浩史
研究概要 生分解性樹脂の実際の利用においては、生分解性樹脂同士のブレンド体の利用が予想されるが、その生分解性についてはあまり検討されていない。ポリ乳酸、ポリカプロラクトンのブレンド体を調製し、2年間埋設した試料の生分解性を評価した。その結果、ポリカプロラクトンが多いほど分解が促進されることがわかった。
研究題目 ジフェニルアミンをベースとする高分子添加剤の開発
研究者 [材料技術部]林英樹、平野幸治
研究概要 新しい機能を持った高分子添加剤の開発を目指し、ジフェニルアミン化合物であるフェナザシリンを主鎖に持つポリマーの汎用樹脂への添加についての研究を行った。その結果、ごく微量(0.001%)の添加量にも関わらず、フェナザシリン含有ポリマーを加えた樹脂は強い蛍光を示すことがわかった。
研究題目 潤滑鋼板のトライボ特性
研究者 [材料技術部]上田直春
研究概要 潤滑鋼板に関するBowden試験による摩擦特性評価を行い、その摩擦挙動に及ぼす接触面圧の影響について調べた。その結果、以下の結論を得た。(1)摩擦係数μは、面圧の変化に伴う影響を、比較的受けない。(2)試料中、最厚潤滑層2.2μmを有する潤滑鋼板に関しては、面圧変化に対して、μは低く安定した値を示す。
研究題目 無鉛青銅中の主要元素の蛍光X線分析法の開発
研究者 [材料技術部]酒井光生
研究概要 サンプリングは青銅の溶湯を外径80Φ内径35Φ高さ100mmの鋳鉄製鋳型に流し込み、放冷後下から30mm付近で切断して円板状の試料を作成し、蛍光X線分析の測定に用いた。この試料を切削して化学分析用試料とし、蛍光X線分析の値と比較した結果、亜鉛と錫はほぼ良好な結果が得られた。
研究題目 微量有害成分の高精度定量および水熱処理固化体中の鉛の存在状態評価(地域結集型共同研究事業)
研究者 [材料技術部]大橋芳明、酒井光生、野々部恵美子、木下武彦、佐藤眞、久米道之
研究概要 都市ごみ焼却灰/消石灰系の水熱処理固化体において、鉛は板状晶集合体に集中して存在することが見いだされた。この板状晶はCa-Si-Al系で、トバモライトとは異なる種類の相であった。また固化体中の鉛は環告46号試験の際にその一部が一旦は溶出し、その後、直ちに炭酸イオン等の作用により不溶化されることが分かった。
研究題目 真空紫外領域誘導結合プラズマ発光分光分析を用いた有害元素の定量
研究者 [材料技術部]大橋芳明
研究概要 誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES)を用いて昨年度のヒ素に続き有害元素について波長160〜200nmの真空紫外領域の発光線について検討を行った。セレン(185.520nm)、アンチモン(187.116nm)、鉛(172.682nm)、スズ(181.122nm)、ゲルマニウム (184.817nm)等の発光線について検出限界値等を算出した。

経常研究・資源環境術部(6テーマ)

研究題目 酵素反応によるバイオマスの減量化技術の開発とその評価
研究者 [資源環境部]村瀬由明
研究概要 バイオマスのうち食品系廃棄物の代表例として、パン残渣を選定し、この酵素分解反応によって得た糖混合物を使用して糖エステル型のノニオン系界面活性剤を合成してその界面化学的性質を評価した。合成物は市販品とほぼ同程度の界面活性であった。
研究題目 ウンデシレン酸を原料とした微生物プラスチックの応用
研究者 [資源環境部]高木康雄
研究概要 資源循環型材料として再び注目されている微生物産生系生分解性プラスチックPHAの応用をはかるため、ひまし植物から採取されるウンデシレン酸を原料としたPHAの生産性、反応性などを検討した。ポリマーの側鎖末端の不飽和結合を起点とした各種の反応についても調べた。
研究題目 コンビナトリアルアプローチに基づく新規オイルゲル化剤の開発
研究者 [資源環境部]中野万敬
[材料技術部]平野幸治
研究概要 アミノ酸と長鎖のアルキル基を有するアンモニウム塩から27種類のアミノ酸アルキルアンモニウム塩を合成しそのゲル化能を調査したところ、21種類の化合物が少なくとも1種類の溶媒をゲル化した。油分を効率よくゲル化する化合物を見つけるとともに、水を固化できるゲル化剤も得た。
研究題目 長寿命設計のための微小領域ひずみ測定技術の開発
研究者 [資源環境部]三宅卓志、二村道也
[材料技術部]平野幸治、武田卓也、林英樹
研究概要 顕微ラマン分光法を用いた微小領域の応力・ひずみ測定を可能とするため、配向した炭素の三重結合ドメインを有する数種類のポリアセチレン化合物の薄膜を作製した。ラマン測定の結果、柔軟な部位を有するポリアセチレン化合物は良好な分散性を示し、均一な感度を有する薄膜を生成できることが明らかになった。
研究題目 プラスチック発泡体における力学特性に関する研究
研究者 [資源環境部]足立廣正、長谷川照夫
研究概要 軟質ポリウレタンフォームを用いて動的粘弾性パラメータである動的弾性率の時間変化を測定し、耐熱性の評価方法について検討したところ、測定開始時間から動的弾性率が50%低下する時間をt(min)とした常用対数logtと絶対温度(T)の逆数とは直線関係にあることがわかった。
研究題目 ラマン分光を用いた炭素繊維強化複合材の疲労特性改善に関する研究
研究者 [資源環境部]二村道也、三宅卓志
研究概要 炭素繊維/エポキシ界面の疲労劣化挙動を調べるため、単繊維モデル試験片に振幅0.3%の繰返し引張ひずみを106回まで加えた。ラマン分光法を用いて界面せん断応力分布を測定した結果、繰返し数3×105回以上で界面はく離が発生することが分かった。

経常研究・電子情報部(17テーマ)

研究題目 マルチメディアネットワークの伝送特性改善
研究者 [電子情報部]竹尾隆、伊藤治彦、月東充、小田究
研究概要 フェライトコアを利用した高周波分配器の低損失化、広帯域化を目指して、部材の形状や物性値、基板への実装方法などを、主に電磁界シミュレーションによって検討した。解析結果は試作デバイスに対する測定結果とほぼ符号する傾向を示したが、定量的にみると必ずしも一致性は良好でなく、モデリングに検討の余地がある。
研究題目 定常音場計算のための高速多重極境界要素法の効率的実装に関する研究
研究者 [電子情報部]奥村陽三
研究概要 音響問題の解析手法の一つである境界要素法に高速多重極法を効率的に実装するためのアルゴリズムについて検討した。特に多重極音源を多段化する上で重要となる同音源相互の変換手法の改良を試み、高速フーリエ変換のみを用いる簡便なアルゴリズムを提案した。数値例により計算時間が短縮可能であることを確認した。
研究題目 身体装着型「方向」情報触呈示装置の検討
研究者 [電子情報部]月東充
研究概要 身体装着型「方向」情報触呈示装置について、装着位置の検討と、仕様で必要な機構となる腕の方向を検知する方向検知システムの検討を行った。方向検知用地磁気センサの特性を測定した結果、角度によっては10゜以上の誤差が生じたため、使用にあたって何らかの補正が必要であることが分かった。
研究題目 固体電解質ガスセンサの開発
研究者 [電子情報部]山田範明、加藤輝政
研究概要 酸化物固体電解質を用いたガスセンサの開発を目的として、固体電解質であるNdをドープしたCeO2薄膜を作製した。NdをドープしたCeO2は酸素イオン伝導体であり、酸化物を含むガスの検出に期待できる。基板上に様々な構造を持つイオン伝導体薄膜と電極を積層し、高温での導電性を調べた。
研究題目 導体抵抗測定によるはんだ接合部の接続信頼性評価技術
研究者 [電子情報部]林幸裕
研究概要 はんだ接続信頼性を効率的かつ正確に評価するために、温度サイクル試験中にはんだ接合部の導体抵抗を同時測定する手法を試みた。これによりCSP実装基板のはんだ接続信頼性を評価した結果、無電解NiAuメッキ処理よりもCuスルーホールプリフラックス処理の方が熱疲労に対する接続信頼性が高いことがわかった。
研究題目 ラジカル制御による機能性薄膜の形成とデバイスへの応用
研究者 [電子情報部]伊藤治彦
研究概要 ラジカル制御法を用いてカーボンナノ構造体をはじめとする機能性薄膜を形成するため、重要な前駆体として考えられているCH3やC2ラジカルを紫外吸収分光を用いて測定する方法について検討した。本手法を用いれば、光源として市販のランプを利用してラジカル計測を行うことが可能であることが分かった。
研究題目 通信プロトコルにおけるQOSに関する研究
研究者 [電子情報部]小川清、斉藤直希
研究概要 移動時の通信品質の確保のため、携帯電話、PHS、無線LAN、Bluetoothといった通信方式によらず、複数の通信経路が確保されている場合に、どの経路を選択するとよいかを検討するための測定方法について検討した。Mobile IPにおける三角経路の1辺よりも2辺の方が速い場合もあることを確認した。
研究題目 プロセスアセスメントのシステムモデルに関する研究
研究者 [電子情報部]小川清、加藤輝政
研究概要 ISO/IEC 15504を自動車業界、医療機器、官庁のシステムに適用するために必要となるハザード収集と、インテグリティレベルのの定義の可能性について検討するとともに、国際的に標準化を検討しているStudy Groupにおいて、必要最小限の標準化のための事項について研究した。
研究題目 広範囲な立体形状計測システムに関する研究調査
研究者 [電子情報部]黒宮明、渡部謹二
研究概要 立体形状を計測するシステムの精度は、計測範囲に対する相対精度(分解能)という形で表現でき、複数のシステムを組み合わせて広範囲な形状を得ることで精度の向上が望めるが、データの接合が問題となる。そこで、複数台のカメラの相対位置関係を自動的に計測するシステムの試作を試みた。
研究題目 組み込みシステムのソフトウェア技術に関する研究
研究者 [電子情報部]斉藤直希、小川清
研究概要 昨年度のオープンソース・リアルタイムOSのM16Cプロセッサへの移植に続き、組込みソフトウェア部品の充実を目的として制御機器向けネットワークのための通信ソフトウェアライブラリの開発を行った。下位層のプロトコルとして、自動車などの制御機器向けネットワーク仕様の一種であるCANおよびLINを想定した。
研究題目 高解像度画像の処理技術に関する研究
研究者 [電子情報部]渡部謹二
研究概要 近年の画像センシング技術の発達により、高精細の画像データの取得が可能となったが、得られたデータ中には冗長なデータが多く、後処理に大きな負担となる。そこで、冗長データの削減、効率的な処理技術の実現を目的に、動画像中の物体の見かけ上の動きを算出する方法(オプティカルフロー)などについて調査実験を行った。
研究題目 生産スケジューリングと再スケジューリングに関する研究
研究者 [電子情報部]青木猛
研究概要 今年度は近年の生産スケジューリング文献に対して、モデル表現法や解析アルゴリズムなど9項目に関して調査・検討を行った。基本的にはガントチャートで作業を可視化し様々な制約条件を満たすようスケジューリングしているが、適用システムに対する依存性が強く、単純に性能比較することが困難であった。
研究題目 周期加熱法による熱物性測定法に関する研究
研究者 [電子情報部]高橋文明
研究概要 本研究では、面内の熱的異方性評価に有効なスポット周期加熱法に関する理論的な検討を行った。その結果、加熱領域からある程度距離を置けば、試料の厚み効果を無視して、交流温度波の伝播を一次元近似できること、また、振幅と位相の情報を併用することによって、簡便に熱拡散率を得られることが明らかになった。
研究題目 ソフトコンピューティングを用いた作業ロボットに対する教示
研究者 [電子情報部]井谷久博
研究概要 本研究では,新しいタスクや未知の環境下における再学習の効率化と人間の教示の負荷の低減を目指して,人間からロボットへのコツの教示方法とロボットによるコツの獲得方法について考察するために,学習に関するロボットモデルを考案した。
研究題目 静電気試験に関する研究
研究者 [電子情報部]白川輝幸
研究概要 静電気放電によって発生する電磁ノイズのシミュレーションをFDTD法を用いて行った。導体板の端に、パルス電圧の接触放電を行うという想定で、板の面積を変化させて計算を行ったところ、電界の時間的なピーク値の変化に大きな差は見られなかった。
研究題目 高温条件下での電子材料の物性評価技術の開発
研究者 [電子情報部]小田究、山田範明
研究概要 120℃以上の高温での電子物性計測の評価ニーズに対応するために、赤外線加熱炉を利用したインピーダンス測定を課題として取り組んだ。Niのインピーダンス透磁率の温度依存性について調べた結果、測定系内に約30℃の温度勾配の生じていることが分かったが、試験体の性状改善により高温での精密測定が期待できる。
研究題目 自動化技術に関する技術調査
研究者 [電子情報部]野呂重樹
研究概要 見学先企業等の事例をまとめ、自動化技術に関する情報提供を目的とする。その結果、元来の省力化や高性能作業を担い、さらに闇雲な自動化ではなく、効率的な自動化が求められ、環境との調和や省エネルギーが不可欠であり、その中でコストの低減を図り、最適な自動化技術が開発されつつあることがわかった。
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