名古屋市工業研究所

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研究報告

平成25年度研究報告

重点事業 (1テーマ)

事業名 高機能性プラスチック材料の開発
指定分野 機能性・軽量部素材
担当 [材料技術部]:有機材料研究室
[システム技術部]:製品技術研究室
補助事業名 公設工業試験研究所の設備拡充補助事業〈(公財)JKA〉

1.目的

本事業では、特殊な機能や高性能を有する高機能性プラスチック材料を開発するとともに、それに必要な分子の構造や配列と材料の性能との相関についての知見を蓄積し、この手法を用いて得られたプラスチック材料開発のノウハウを、当地域の中小企業へ提供することにより技術支援を行うことを目的とする。

2.内容

以下の3ステップを確立し、材料開発を行う。
@ 種々の添加剤とポリプロピレンをはじめとする汎用樹脂やポリ乳酸やナイロン11などのバイオプラスチックを複合化し、これまでにない機能を発現する系を探索する。
A 得られた複合材の物性とプラスチック分子の高次構造との相関を各種物性試験と固体NMR測定から見出し、材料開発の指針とする。
B Aの結果を@にフィードバックし、材料開発を促進する。
本年度はニコチン酸ヒドラジドとセバシン酸クロリドからポリ乳酸用の新規造核剤を合成し、その結晶化促進能を示差走査熱量計(DSC)で評価した。また、固体NMRで測定するためのφ3 mmの真円柱状成形体試料を作製した。

3.成果

造核剤を2重量%添加したポリ乳酸と添加していないポリ乳酸のDSC測定を行った。まず、30℃から230℃まで毎分50℃で昇温し、そのまま10分間保持した後、30℃まで空冷する過程を追跡したところ、造核剤を添加したものでは無添加のものでは観測されない明確な発熱ピークが140℃付近に観測された。このことから、開発した造核剤が期待通り結晶化を促進することが確認された。
今後は上記試料の固体NMR測定を行い、材料の分子構造と性能の相関についての知見を得、材料設計へのフィードバックを検討する。

設置機器

機器名称 型式・性能 製造所名 設置年月日
固体核磁気共鳴装置

AVANCE V

HD 400

ブルカー・バイオスピン(株) H26.2.27

重点研究、共同研究および指定研究

研究題目 高機能性プラスチック材料の開発
研究区分 重点
指定分野 機能性・軽量部素材
研究概要 重点事業のとおり
研究題目 電子制御機器の設計効率化の研究
研究区分 重点
指定分野 CAE
研究者 (システム技術部)○梶田欣、高橋文明、近藤光一郎、井谷久博、月東充、岩間由希、松下聖一、間瀬剛
(プロジェクト推進室)八木橋信
研究概要

1.目的

近年の工業製品は大多数が電子制御化されており、電子機器には高い信頼性が要求される。ところが、小型化と高速化のために、熱と電磁ノイズの問題が大きくなってきた。これらの対策は相反するため、設計が困難である。そこで、本事業では熱対策技術の向上に加え、電磁ノイズも含めた総合的な支援体制を確立することを目的としている。主に中小企業技術者を対象として、設計初期からの技術相談、試作品の評価までを一貫して当所が支援することにより、開発の短期化とコストダウンを図り企業の開発力強化をめざす。
これらの課題を解決するにはCAEが有効であるが、現在の計算機の能力では詳細な解析を行うことは困難である。そこで、捉えたい現象を見落とさない程度にモデルを簡易化する必要がある。本研究では物性値の実測からはじまり、モデルの簡易化手法の開発をめざした。

2.内容

熱対策を行うために、様々な電子機器に使われている電子部品について熱抵抗、外形、内部構造を測定した。この結果から熱流体解析に最適なモデルを作成してシミュレーションを行った。電磁ノイズは高周波測定とシミュレーションを同様に組み合わせて設計に活用できるようにした。
電子部品の熱抵抗は一般に入手困難であるが、過渡熱抵抗測定とシミュレーションを併用することによって詳細なモデルを作成することを考案した。それをもとに簡易モデルを検討した。また、冷却ファンについてはブレードの形状測定を行って形状データを作成し、従来のPQ特性だけでは再現できなかった回転の状態を計算できるようにした。

3.考察

代表的な電子部品について、過渡熱抵抗測定を中心に熱抵抗、熱物性値の電子部品の熱抵抗、各材料の熱物性値の精度が高い測定が可能になった。また、ファンの形状を測定することによって、詳細な流れの計算が可能になった。これらの測定を利用して、熱的および電磁的な解析を行った。解析は測定不可能な装置内部の様子を調べることができるため、製品の欠点の発見や改良方法を導くことができる。計算がコンピュータのメモリにおさまるように適切な簡易化を行ったため、実用的かつ高精度な予測が可能になった。これによって依頼試験や受託研究を通してメーカーの効率的な設計に役立っている。そして、これらの技術は既に多くの製品に使われている。

研究題目 製品の評価技術に関する研究開発
研究区分 重点
指定分野 信頼性技術
研究者 (システム技術部)○真鍋孝顯、松下聖一、児島澄人、深谷聡、山田博行
研究概要

1.目的

複雑な製品おいては三次元モデルを基準とした評価の重要性が増しており、三次元形状の高精度測定が求められている。よって、非接触三次元デジタイザ(平成24年度JKA設備拡充補助事業により導入)を活用した、中小企業のものづくり支援に不可欠な評価技術の高度化を目指す。

2.内容

本装置は測定対象物の表面状態によってハレーションや反射光の影響を受けやすいが、それらを効果的に減らすことによって測定精度、品質の向上を目指した。また、データの二次利用でニーズの多いリバースエンジニアリングにかかる時間の短縮を図った。 

3.考察

塗膜の薄い粉体塗布によって測定品質、精度共に大幅に向上した。また再塗布した場合も塗膜厚の影響が少ないため測定効率が上がった。リバースエンジニアリングにおいてもデータ品質の向上により後工程を大きく削減でき、ダイレクトモデラーの導入により更に工数を削減できた。

研究題目 有機無機複合材料の高性能化に関する研究
研究区分 共同(産業技術総合研究所)
指定分野 CAE、機能性・軽量部素材
研究者 (材料技術部)○岡本和明、原田 征、飯田あずさ
(システム技術部)村田真伸、近藤光一郎
(プロジェクト推進室)伊藤清治
研究概要

1.目的

複合材料中のフィラーの成形時の流動による配向、相分離やフィラーの極性を利用した二次構造の発現、フィラーの核剤としての性質や加工特性への影響について研究を行い、複合材料のより高機能化、高信頼性化を目指す。

2.内容

炭素繊維およびガラス繊維強化プラスチックに、トレーサーとしてめっきした炭素繊維およびガラス繊維を混合して射出成形し、3次元画像のコンピューター解析により配向状態および残存繊維長の数値化を行った。

3.考察

これまで平面で評価していた配向状態の数値化が3次元で行うことができるようになり、解析の質が向上した。めっきした炭素繊維の残存繊維長はめっきしていない炭素繊維とほぼ同等の挙動を示し、トレーサーが配向評価だけでなく残存繊維長の評価にも有効であることが示唆された。

研究題目 ナノ・マイクロ領域のマルチスケール表面処理技術に関する研究
研究区分 共同(産業技術総合研究所)
指定分野 機能性・軽量部素材
研究者 (プロジェクト推進室)○八木橋信、山口浩一、田中優奈、伊藤清治
(システム技術部)村瀬真
(材料技術部)加藤雅章、松本宏紀
研究概要

1.目的

従来から進めてきたナノメートル領域の表面処理技術に、よりマクロなマイクロメートル領域での加工や処理を加えた、ナノ・マイクロ領域のマルチスケールな表面処理技術に関する研究を進め、防汚や防食、高い防曇や潤滑効果を実現し、機械部品の性能向上や医療等の用途への活用を目指す。

2.内容

実用的な防曇や潤滑効果等を得るため、主に自己組織化によるナノ・マイクロ領域のマルチスケールな表面処理について研究を進めた。また、表面に特定の分子膜の形成が困難な材料もあるため、多層化などによりナノ領域の処理の可能性を広げる研究も同時に進めた。

3.考察

シリカ前駆体や自己組織化によるマイクロ構造と、機能性官能基によるナノ領域の表面修飾を組み合わせることにより、水やさまざまな油に対して高い滑落性を持つ表面や、高い防水性を発揮する処理を実現した。これら処理手法の一部は、受託研究を通じて市内中小企業に技術移転した。

研究題目 燃料電池の開発と応用
研究区分 共同(名古屋大学)
指定分野 環境対応技術
研究者 (プロジェクト推進室)○宮田康史、田中優奈
研究概要

1.目的

燃料電池は内燃機関の代替や可搬型電源として、二次電池はスマートグリッドや電動車両の蓄電池への応用として期待されている。今年度は電池材料として重要な炭素材料の製造装置開発およびこの装置を用いた材料開発および電極の電気化学評価法の検討を行う。

2.内容

次世代二次電池に必要とされる複合化電極を創製するために、炭素系複合材料の製造が可能なCVD装置を開発し、ナノレベルで構造制御された炭素−無機材料の複合化電極の試作を行った。電極評価により複合化効果による充放電容量の増大を確認した。また、電極材料表面の電気二重層容量の測定から電極表面積や表面状態の解析が可能となった。

3.考察

CVD装置の開発により複合材料を得ることが可能となった。今後はさらなる電池材料の高度化と触媒などへの展開を検討していく。

研究題目 無機系排水からの有価金属回収
研究区分 共同(名古屋大学)
指定分野 環境対応技術
研究者 (材料技術部)○木下武彦、柴田信行、野々部恵美子、小野さとみ
研究概要

1.目的

これまでは金を回収対象として研究を行ってきたが、前年度の研究において新たに判明した回収対象のガリウムに着目し、連続向流泡沫分離法におけるガリウムの分離挙動を調査した。

2.内容

界面活性剤への相互作用が強(ガリウム)・中(鉄)・弱(銅、亜鉛)の系で塩酸溶液を調製し、同法における各操作因子のガリウム分離挙動を調査し、従来法等との分離性能を比較した。ここで、溶媒抽出においてガリウム/鉄の分離係数は1.2と、抽出多段化を要する極めて相互分離し難い値である。

3.考察

各金属初濃度20ppmの混合溶液を用いた最適分離条件下での実験結果において、ガリウムの完全回収並びにガリウム/鉄の分離係数は単段で67にも達し、溶媒抽出の多段化に匹敵する分離法である。本法は高回収率と高分離度を両立する脱有機溶媒の新たな分離法である。

研究題目 炭素繊維強化プラスチックへの装飾めっき技術の開発
研究区分 共同(愛知県鍍金工業組合)
指定分野 機能性・軽量部素材、環境対応技術
研究者 (材料技術部)○三宅猛司、松本宏紀、加藤雅章、浅野成宏、山田隆志
研究概要

1.目的

今後、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は自動車をはじめとした多分野で需要が見込まれる。このような中、CFRP上の装飾めっきに対する要望に応えるため、CFRP上へのめっき技術開発を目的に行った。

2.内容

エポキシ樹脂をマトリックスとした市販のCFRPを試験片に用いた。CFRPの表面改質のためオゾン水浸漬後、アルカリ処理、触媒化、無電解ニッケル、電気銅めっきの順に行い、表面改質の効果と密着性について調べた。さらに熱処理による影響について調べた。

3.考察

CFRPの表面改質にオゾン水が有効であることが分かった。オゾン水浸漬時間20分における密着強度は0.9N/cmであった。さらに熱処理(温度150℃、時間60分)を施すことにより密着強度は2.7N/cmとなり、熱処理により密着性が向上することが分かった。

研究題目 次世代電子機器の実装技術に関する研究
研究区分 共同(中部エレクトロニクス振興会)
指定区分 信頼性技術、ICT
研究者 (システム技術部)○竹内満、白川輝幸、小田 究、岩間由希、村瀬 真、梶田 欣、近藤光一郎、高橋文明、間瀬 剛
(材料技術部)加藤雅章、浅野成宏
研究概要

1.目的

次世代電子機器の実装技術の確立を目指し、(1) 高速伝送路の信号品質改善と電磁ノイズ低減に関する研究、(2) 電子機器の熱問題を解決するためのシミュレーション技術の開発、(3) 低銀鉛フリーはんだの接合信頼性に関する研究に取り組んだ。

2.内容

(1)4層基板による高速差動伝送線路の設計・作製を行い、電磁雑音放射特性(EMC)の評価を行った。
(2)シミュレーション技術を用いた熱設計の時間短縮を図るため、電源回路で使われているトロイダルコイルについて、発熱実験と並行しながら解析モデルの簡易化の検討を行った。
(3)低銀鉛フリーはんだの冷熱衝撃試験、イオンマイグレーション試験により接合信頼性を確認し、現在使われている鉛フリーはんだの代替の可能性を検討した。

3.考察

(1) EMCの評価では、単層基板と同様な特性であったが、放射電界強度は内装・外装ともシングル線路よりも抑制された。引き続き、信号品質/伝送特性の検討を行う予定である。
(2) 簡易モデルによるシミュレーションと実測との差はほぼ±5℃以内に収まった。
(3) 環境試験では極端な劣化は見られず、低銀はんだは代替品として実用に耐えると考えられる。

研究題目 溶接ビード外観の定量的評価技術の確立
研究区分 共同((一社)愛知県溶接協会)
指定分野 信頼性技術
研究者 (システム技術部)山田博行、夏目勝之
(材料技術部)毛利猛、川尻鉱二、岡東寿明、山田隆志
研究概要

1.目的

溶接接合部の評価試験は破壊・非破壊の二つに大別され種々の試験法があるが、その中の溶接部の外観目視検査が最も簡便で基本的な方法である。この目視検査をより客観的にかつ定量的に評価するための溶接ビードの外観評価装置の開発を行う。

2.内容

外観目視検査の最新の審査基準に沿ってアンダーカット評価ができるソフトウェアを開発し、アンダーカットについて、目視検査と本評価装置による評価結果との相関を確認した。また、本評価装置により溶接接合部曲げ試験片の欠陥評価が可能であるか検討を行った。

3.考察

アンダーカット評価の相関については、一部の評価区分において、深さのしきい値を調整することにより目視検査に近い評価値を示すことが可能となった。曲げ試験片評価については、欠陥部にレーザ光を投光できる機構を追加する必要があること、現状の計測装置では小さな欠陥の検出は難しいことが分かった。

研究題目 有機電子部材の開発
研究区分 指定
指定分野 機能性・軽量部素材
研究者 (材料技術部)○林英樹、飯田あずさ、石垣友三、山中基資
(システム技術部)村瀬真
研究概要

1.目的

有機材料は無機材料と比較して、軽い、膜形成がしやすい、フレキシブルであるといった特徴を有している。そこで、本研究は、トランジスタや二次電池などの有機電子デバイスを目指した有機材料の開発を行い、素子への応用を行うことを目的とする。

2.内容

自動車や電子製品への利用を想定した有機材料の開発を行い、電子デバイスを作製することにより新たな機能部材としての工業応用を目指し、以下の項目の研究を遂行した。1.新規電子機能材料の合成と評価、2.素子特性評価技術の確立。

3.考察

架橋ジフェニルアミン系材料は、ある程度の重合度をもってトランジスタ特性が発現した。また側鎖にデンドリマー化合物を持つポリスチレンと塩との複合体は、イオン導電性を示すゴム状固体となる。これは液漏れの心配のない電池材料としての利用が期待できる。

研究題目 難めっき素材への新しいめっき技術の開発
研究区分 指定
指定分野 機能性・軽量部素材
研究者 (材料技術部)○三宅猛司、松本宏紀、加藤雅章、浅野成宏、山田隆志
研究概要

1.目的

従来の前処理方法では十分な密着性が得られないめっき素材があり、これらの素材に対してめっきを行う要望は多い。本研究ではケブラーに代表されるスーパー繊維へのめっき技術開発とステンレス素材へのニッケルめっきを用いないめっき技術開発を行った。

2.内容

ケブラーなどの繊維表面を改質させるための前処理としてのオゾン水を用い、その有効性と密着性への影響について検討を行った。ステンレス素材ではニッケルストライクめっきから銅ストライクめっきへの代替技術の有効性について調べ、その最適条件の検討を行った。

3.考察

ケブラー繊維はオゾン水による前処理によって繊維表面に微細な凹凸が形成された。繊維とめっきとの密着性は不十分であり、密着性向上目的で熱処理を施しても良好な密着性を得ることができなかった。また、ステンレス素材への銅ストライクめっきの有効性を確認し、その電流効率が密着性に影響を及ぼしていることが分かった。

研究題目 新規可視光応答型光触媒の開発
研究区分 指定
指定分野 環境対応技術
研究者 (材料化学部)○岸川允幸、柘植弘安、川瀬聡、小野さとみ
研究概要

1.目的

酸化チタンは紫外光を照射することで光触媒として作用するため、酸化チタン光触媒の利用場所は外壁等の野外が主であり、紫外光の少ない室内での利用は少ない。室内利用を可能とする光触媒の開発が望まれており、高活性・高耐久性な可視光応答型光触媒の合成を目指す。

2.内容

酸化タングステン(WO3)は可視光応答を示す光触媒だが、単体では有機物の完全分解が困難である。本研究ではプルシアンブルー(Fe4[Fe(CN)6]3:PB)を助触媒として担持したWO3光触媒を作製し、その性能をアセトアルデヒドの光分解反応により調べた。その結果、PB担持WO3はアセトアルデヒドを完全分解し、その反応速度は酸化銅を担持した場合よりも速く、高い光触媒性能を示すことがわかった。

3.考察

WO3光触媒において、銅、白金等の金属やその酸化物を担持することで触媒活性が向上することは知られている。PBを担持することによって高い光触媒性能を示したのは、PB上において空気中酸素分子の励起電子による還元が促進され、それに伴い正孔でのアセトアルデヒド酸化反応が高い効率で進行したためと考えられる。

研究題目 熱物性評価技術の向上に関する研究
研究区分 指定
指定分野 信頼性技術
研究者 (システム技術部)○高橋文明、間瀬剛、近藤光一郎、梶田欣
研究概要

1.目的

近年の電子機器では、高性能化による発熱量の増加や小型化に伴う放熱面積の減少が深刻な問題になっている。これに対して、シミュレーション技術を導入した熱対策、いわゆる熱設計を行うことで、開発期間の短縮や低コスト化が図られている。本研究では、熱設計を行う際に重要になる熱物性評価技術の向上を図ることを目的として、以下の内容を実施した。

2.内容

現在、熱物性値の測定方法として広く用いられているレーザーフラッシュ法を対象とし、計測技術ならびに解析技術に関する検討を行った。また、これらの検討結果をもとに、試料の熱伝導性や厚みが異なる場合にも適用できる補正式を導出するとともに、実測による確認を行った。

3.考察

熱伝導性が大きく薄い試料では、パルス幅とレーザー光強度の影響を同時に補正する式の適用が有効であること、熱伝導性が小さく厚い試料では、熱損失とレーザー光強度の影響を同時に補正する式の適用が有効であることが明らかになった。また、熱伝導性や厚みが異なる試料の実測から、これらの補正式の有効性を確認することができた。

研究題目 広域周波数の電磁波に対応した材料特性及び製品評価技術の開発
研究区分 指定
指定分野 ICT、信頼性技術
研究者 (システム技術部)○小田究、村瀬真、竹内満、二村道也
(プロジェクト推進室)宮田康史
研究概要

1.目的

100 GHz付近までの周波数域の電磁波を利用した計測・分析技術を確立して体系付けるため、未解決だった下記2課題を抽出して本研究を実施した。
(1)MHzまでの周波数域での物性評価技術の向上
(2)ミリ波を用いた製品評価・材料特性評価技術の開発

2.内容

(1)MHzまでの周波数域では、透磁率・誘電率測定の信頼性向上に関する検討を行った。
(2)ミリ波が水溶液、(炭素分散)樹脂材、液晶剤など分子性凝集体の性状変化を評価する手法として有用性を確認してきた実験結果を踏まえ、検出用途に応じた測定系の最適化検討を更に進めた。

3.考察

(1)MHzまでの周波数域での物性評価技術については、供試体の性状を類型化して両測定の信頼性に及ぼす影響や適用限界等について明確にすべきことが実験的に示された。
(2)ミリ波の透過・反射・吸収特性の検出には電磁波伝播エネルギーの散逸防止策を要し、特に希少試料の特性評価に関する実験的検討では電磁界解析を援用して測定系の最適化を行った。

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