名古屋市工業研究所

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研究報告

平成19年度研究報告

重点事業 (1テーマ)

事業名 環境を保全する新規吸水・吸油材料の開発
担当 [材料化学部]:中野万敬、秋田重人、朝日真澄、山中基資、山口浩一、奥田英史、高橋鉱次、木下武彦、石垣友三、福田博行
[電子情報部]:吉村圭二郎
補助事業名 公設工業試験研究所の設備拡充補助事業〈日本自転車振興会〉

1.目的

“ものを分ける”という操作は、多くの製造業で重要な役割を担っており、対象物を効果的に分離でき、簡便で低コストな分離法が求められている。特に、リサイクルや廃棄物処理においてこのようなニーズは高いが、有効な手法であっても高コストのために実用化が図られていない例が多くある。吸水・吸油材料は、単に液体を吸収するという機能だけでなく、その特徴を活かして操作が簡易で高機能な分離材としても有用である。本事業ではリサイクルや廃棄物処理に用いる新規な吸水・吸油材料の開発やそれらを応用した機能材料の開発を行い、環境に配慮した製品および製造技術の開発や生産活動に課題を抱える中小企業を支援することを目的とする。

2.内容

吸水・吸油材料の中でも特に液体を多量に吸収できる有機ゲルに注目して研究を行った。有機ゲルは、その組成や構造を変えることにより吸収する液体の種類や量を制御できるため、新たな用途開発が期待できる。本事業では以下の三点について検討した。(1)表面コーティングにより超はっ水性を示すようなゲル化剤を合成し、材料表面を簡易に超はっ水化できる手法を確立する。(2)工場等から排出される含油廃液を効率的に水相と油相とに分離し、吸油材を用いた含油廃液処理システムを構築する。(3)貴金属、希少金属、有害金属を含有する廃液から特定のイオンのみを選択的に固定化できる吸水ゲルを開発し、有用金属の回収や有害金属の除去方法を確立する。

3.成果

(1)パーフルオロアルキル基を有するゲル化剤を合成し、この化合物含有溶液を基板上にキャストするという簡易な方法により、接触角が150度以上である超はっ水膜を作成することができた。
(2)エマルジョン溶液に中性の無機塩を数%添加することにより原液を水相と油相とに分離でき、分離後の水相の炭素濃度はエマルジョン原液から大きく低下していることを確認した。
(3)ポリエチレングリコール鎖を有する機能性吸水ゲルを合成した。当ゲルを泡沫分離後に得られた金イオンを含む混合溶液に投入したところ、金が選択的に吸着し95%以上の回収率が得られた。

4.設置機器

機器名称 型式・性能 製造所名 設置年月日
環境制御型電子顕微鏡 Quanta200

FEI Company

H20.3.14
接触角測定装置 CAM200 KSV Instruments H20.3.14
X線分析顕微鏡 XGT­5000 TYPE IS 堀場製作所(株) H20.2.29
分取液体クロマトグラフシステム 液体クロマトグラフ大量分取システム (株)島津製作所 H20.3.21
LED式UV照射装置 ZUV­C30H/ZUV­H30H オムロン(株) H20.3.5
粘度測定装置 HBDV­II+ProCP ブルックフィールド社 H19.12.27

主要研究および分担研究(コア技術16テーマ)○:主担当
コア技術名 1.機械診断における予知保全システム技術

主要研究題目 加工機械等の性能診断技術の確立
研究区分 指定
研究者 (機械金属部)○山岡充昌、松下聖一、真鍋孝顯、夏目勝之、深谷聡、長谷川照夫
研究概要

1.目的

設備保全方式は、生産効率など経済的観点と設備診断技術の開発と相まって、状態監視による予知保全へと変化している。そこで、機械設備の状態を監視し、故障・工具劣化など過負荷が予測されるときに、部品・工具の交換や操業条件の変更などを指示できる予知保全システムの構築を目指す。

2.内容

切削加工(ドリル加工)に状態監視技術を導入することにより、加工精度の向上、工具寿命の予知による連続運転への対応を目指す。本研究では、ドリル刃先の形状変化が切削挙動におよぼす影響に着目し、刃先形状と音・振動現象との関係を見出すことにより、工具診断技術の確立を目指した。

3.成果

ドリル刃先の形状因子である逃げ面摩耗量と音の強さ(6.7kHz付近)には、良い相関関係が認められた。また、切削振動は、4.2kHz帯付近において特徴的な傾向を示した。これにより、音響法および振動法を用いた状態監視による工具寿命の予知への可能性が示された。

コア技術名 2.CAEを用いたシミュレーション技術

主要研究題目 部分軟化アルミニウム合金板の容器成形に関する研究
研究区分 重点
研究者 (機械金属部)○西脇武志、黒部文仁、村田真伸
研究概要

1.目的

アルミニウム合金板は鋼板と比べてプレス成形性に劣っているため、その改善が望まれている。そのため部分軟化成形法という汎用のプレス機を利用可能な成形技術の開発を行ない、中小企業におけるアルミニウム合金板の加工を促進する。

2.内容

H18年度に導入した万能塑性加工試験機と金型温間システムを用い、部分軟化成形法の実証試験を行なう。また自動車の実部品生産を考慮に入れると、多工程成形への適用が可能でなければならない。そのため、2工程の円筒深絞り成形にて部分軟化成形法の効果を検証する。

3.成果

加熱プレートによる部分熱処理と冷却プレートによる急速冷却を組み合わせて7秒程度の短時間で部分軟化したアルミニウム合金板を作製できた。また、2工程の円筒深絞りの成形実験および数値解析を行ない、部分軟化の有効性が確認できた。

分担研究題目 CAEによるプラスチック成形金型の設計支援
研究者 (生産技術部)黒部文仁
研究概要

研究結果

PP、HIPS、TPOなどのプラスチック成形品に対して樹脂流動解析を行い、成形品のそり変形を予測し、結果を実成形品の測定結果と比較した。解析精度はばらついたが、正しい変形モードを得ることができた。金型メーカー技術者が予測できなかった変形モードを、解析で正しく予測できたケースもあり、解析の有効性が認識された。解析精度のばらつき要因は、樹脂物性データベースの精度、メッシュモデルのサイズ、成形条件の解析への反映精度、金型内部での拘束程度などが考えられる。解析精度を高めるためには要因を切り分けて、分析を行う必要がある。

コア技術名 3.表面処理応用技術

主要研究題目 機能性有機・無機ハイブリッド皮膜によるコーティング技術の開発
研究区分 指定
研究者 (材料化学部)○小野さとみ、柘植弘安
研究概要

1.目的

化学溶液法を用いて、シリカ等の無機成分と樹脂や有機シラン化合物等の有機成分の組成を制御してハイブリッド化することで、セラミックス、金属および木材等の材料表面に、親水・撥水性、耐擦傷性等の機能を有した、サブミクロンの薄膜から数十ミクロンの厚膜まで対応可能な有機・無機ハイブリッド皮膜の作製に関する技術開発を行う。

2.内容

(1)メチルトリエトキシシランとテトラエトキシシランを用いた高耐食性シリカ皮膜の作製
(2)アダマンチル基を有するアルコキシシランを用いた撥水性皮膜の作製

3.成果

(1)メチルトリエトキシシランとテトラエトキシシランより調整した透明なコーティング溶液にポリビニルブチラールを515mass%添加した溶液を用いることにより、ステンレス上に150℃での加熱処理で鉛筆高度8H、厚さ7.520μm程度の高耐食性皮膜が作製できた。
(2)得られた皮膜はピーリング試験においてもはがれない、製膜製が良く、透明な皮膜となった。アダマンチル基は、メチル基とほぼ同等の撥水性ではあるが、皮膜の膜厚の増加と硬度の向上に関して、著しい効果があることが判明した。
主要研究題目 新しい亜鉛合金めっき技術の開発
研究区分 指定
研究者 (材料化学部)○三宅猛司、加藤雅章、松本宏紀、橋鉱次
研究概要

1.目的

近年の環境規制により亜鉛めっきのクロメート処理は6価クロメートから3価クロメートに移行しつつあるが、いくつかの問題が発生している。このため、後処理にクロムを使用しない新しい亜鉛めっき技術の開発が望まれている。そこで、亜鉛めっきの後処理フリーを目指すとともに、現在使用されているめっき品の耐食性と同等以上の特性を有する亜鉛合金めっき技術の開発を行う。

2.内容

亜鉛合金めっきとして亜鉛−マンガン合金めっきおよび亜鉛−ニッケル合金めっきを対象としたそれぞれのめっき浴組成および電解条件の最適化について検討した。

3.成果

亜鉛−マンガン合金めっきでは、クエン酸浴を錯化剤として用いることで皮膜中に15〜25wt.%のマンガンを共析させることができた。一方、亜鉛−ニッケル合金めっきでは、酸性塩化物浴から作製することができ、析出電流密度1Adm­2から5Adm­2への増加とともに皮膜中のニッケル含有量は20wt.%から12wt.%へと減少することがわかった。また、X線回析ピークの半価幅から結晶粒径の算出を行った結果、数十nmオーダーの結晶粒径であった。

主要研究題目 銅−スズ合金めっきをニッケル代替として利用した新しい装飾めっきの開発
研究区分 共同(愛知県鍍金工業組合)
研究者 (材料化学部)○加藤雅章、三宅猛司、松本宏紀
研究概要

1.目的

ニッケル/クロムめっきは有用なめっきであるが、ニッケルめっきでは金属アレルギーが、クロムめっきでは6価クロム規制がそれぞれ問題となっており代替めっきの開発が要望されている。ニッケルめっき代替の銅−スズ合金めっきの開発と並行して、クロムめっき代替スズ−コバルト系合金めっきの研究開発を昨年度から取り組んできた。今回はスズ−コバルトめっきへの第三元素の添加の効果について検討した。

2.内容

スズ−コバルトめっきの耐食性や硬度などの特性を向上させるために、第三元素を添加してその効果を調べた。また皮膜の金属組織を断面観察により明らかにした。

3.成果

スズ−コバルトめっき浴にクロム(三価)、鉄、銅、亜鉛を添加した。銅および亜鉛では共析が認められるが良好な皮膜が得られる電流密度範囲が著しく狭かった。一方クロム(三価)を添加したところクロムの共析は認められないものの皮膜外観(色調やピットなど)は無添加に比べて改善された。また鉄の添加では共析が認められかつ皮膜外観の改善が見られた。電流密度範囲0.1〜5.0A/dm2でほぼ均質な皮膜を作製することができた。めっき皮膜の金属組織観察を行ったところ、銅−スズめっきは柱状組織で数nmオーダーの微小な空洞が観察され、スズ−コバルト−鉄めっきでは層状組織を有することが明らかとなった。

コア技術名 4.光触媒応用技術

主要研究題目 酸化チタン光触媒を利用した水処理システムにおける各種影響因子の解明
研究区分 共同(名古屋大学)
研究者 (材料化学部)○大岡千洋、岸川允幸、佐藤眞
研究概要

1.目的

酸化チタン光触媒水処理に影響する各種の影響因子を体系的に明らかにし、個々の応用目的に応じた光触媒水処理システムの設計指針を明らかにする。

2.内容

水中有害有機物質の光触媒分解反応で共存イオンの影響を体系的に調べた。反応は流通循環式とし、固定化担体はガラスビーズとし、酸化チタンそのものの反応挙動を掌握することに努めた。対象物質としてビスフェノール−A、フタル酸ジブチルを用い、共存陰イオンとして、Cl­,SO4の影響を調べた。

3.成果

ビスフェノール−A、フタル酸ジブチル共、Cl­が共存した場合に反応阻害が、SO42­-が共存した場合に反応促進が観測された。SO42-­の促進効果については濃度依存性が認められたが、Cl­の阻害効果については低濃度領域での濃度相関が明瞭ではなく単純な阻害効果だけではないことが解った。ラジカル捕捉剤であるジメチルスルホキシドを対象物質とした実験から、SO42­-の促進効果は活性ラジカル種の増加によることが明らかになった。

コア技術名 5.生分解性プラスチック技術

主要研究題目 バイオマス由来の環境適応材料の開発と応用
研究区分 重点
研究者 (材料化学部)○飯田浩史、小田三都郎、石垣友三、二村道也、岡本和明、林英樹、原田征、粟生雅人、福田博行
研究概要

1.目的

バイオマス由来の環境適応材料であるポリ乳酸は、硬くてもろく成形加工性も悪いという欠点がよく知られており、プラスチック業界ではこれらを改善するニーズが高まっている。そこで、反応性相溶化の手法を適用し、ポリ乳酸の耐衝撃性および成形加工性を改善することを目的とする。

2.内容

反応性相溶化を行なったポリ乳酸の溶融粘度をキャピラリーレオメータで測定した結果、低剪断速度側での剪断粘度の増大が明らかとなった。そこで、樹脂配合を工夫した結果、剪断粘度の増大を抑えることができ、成形加工性の向上に成功した。このコンポジットを用いて射出成形における射出ピーク圧の低減および箱型状成形体のひけの解消を確認した。次に、金型作製装置を用いたCADによる設計、およびCAMによる金型切削の最適パラメーター探索を行い、金型を試作した。この試作金型を使用したポリ乳酸の射出成形に成功した。また、企業との共同試作を行った。

3.成果

ポリ乳酸の耐衝撃性および成形加工性を改善することを、ミキサー、キャピラリーレオメータ、金型作製装置、射出成形機を用いて達成し、新規プラスチックコンパウンドから成形品の開発まで一連の開発を行うことができた。

主要研究題目 機能性添加剤を目指した材料開発
研究区分 指定
研究者 (材料化学部)○林英樹、原田征、飯田浩史、粟生雅人
研究概要

1.目的

環境に優しい生分解プラスチックへの添加剤として用いることを想定して、添加剤が環境へ流出しにくい構造で、かつ、光機能、電子機能などの新しい機能を与えることのできる新規材料を開発することを目的とする。

2.内容

反応性側鎖を持ち、窒素やケイ素などを含有した新規複素環式ポリマーを合成して、生分解性樹脂への添加剤とした。さらに、合成した複素環式ポリマーと生分解性樹脂とのリアクティブプロセッシングを行うことによりこれらの材料の化学結合を試みた。複素環式ポリマーの合成、反応については、核磁気共鳴およびサイズ排除クロマトグラフで確認を行った。

3.成果

分子量を測定したところ、樹脂に複素環式ポリマーを添加したものの方が、樹脂単体よりも分子量が大きかった。また、複素環式ポリマーの添加により、樹脂に強い蛍光が発現した。これらのことから、合成した新規複素環式ポリマーが、樹脂に蛍光機能を与え、さらに樹脂と化学結合する機能性添加剤として有効なこと がわかった。

分担研究題目 ナノコンポジット技術による生分解性高分子材料の高機能化
研究区分 指定
研究者 (材料化学部)岡本和明
研究概要

1.目的

押出機を用いたナノフィラーの添加により既存の生分解性樹脂の成形性や難燃性、機械強度などの諸物性を改善し、その利用性を高めることを目的とする。

2.内容

ポリブチレンサクシネート系ポリマークレイナノコンポジットに対し、極性低分子、あるいは分子量200から1万程度のオリゴマーを2­5%加え、クレイの層間距離の変化をX線回析により評価した。

3.考察

親水性の高い、グリセリン、ポリエチレングリコールを加えた系では、クレイの層による回析ピークが大きく低角側にシフトし、ポリマーだけの場合よりもナノコンポジット化が進んだと考えられる。特に水酸基を持つ界面活性剤を使った有機化クレイでは、ポリエチレングリコールの添加により回析ピークがほぼ消失しており、クレイの層状構造が変化したと考えられる。またカプロラクトンオリゴマーではピークのシフトはごくわずかであり、添加剤とクレイの親和性の差異が構造変化を引き起こす主な要因と考えられる。
添加剤によるピークのシフトは、剪断の弱いワイゼルベルグタイプの混錬機でも、剪断の強い二軸タイプの混錬機でも同程度であり、特殊な混錬条件を必要としないことがわかった。
安価な添加剤を少量加えるだけで、すでにナノコンポジットとなっている状態でもポリマー中でのクレイの分散状態をコントロールできることが示唆された。

コア技術名 6.吸水・吸油材料技術

主要研究題目 環境を保全する新規吸水・吸油材料の開発
研究区分 重点
研究概要 重点事業のとおり

コア技術名 7.廃棄物の再資源化と環境対応技術

主要研究題目 超臨界流体の利用によるバイオプラスチックのリサイクル技術の開発
研究区分 重点
研究者 (材料化学部)○高橋鉱次、武田卓也、秋田重人、丹羽淳、山口浩一、高木康雄、朝日真澄、山中基資、奥田英史、福田博行
研究概要

1.目的

代表的なバイオプラスチックであるポリ乳酸の利用が今後増加すると、使用後の廃棄物や原料供給の問題が顕在化し、そのリサイクル技術の確立が必要になると考えられる。そこで、異種ポリマーとのブレンドあるいは難燃剤等の添加剤を含むポリ乳酸樹脂成形材料のケミカルリサイクルについて検討した。

2.内容

ポリ乳酸のケミカルリサイクルとして検討されている(1)熱分解、(2)水熱反応、(3)超臨界二酸化炭素を媒体に用いるメタノリシスのうち、(3)は(1)や(2)と比較して低温で処理できる特徴があり、(3)の方法を用いてポリ乳酸およびその成形材料を対象に分解を行い、分解生成物を調べた。

3.成果

報告されている方法に従って超臨界二酸化炭素中でポリ乳酸のメタノリシスを行い、分解生成物をGC­MSで分析するとラクチドが検出されたが、NMRやGPC測定などからこのラクチドは、メタノリシスにより低分子量化したポリ乳酸がGCの試料気化室中で熱分解して生成したものと推定された。各種のポリ乳酸樹脂成形材料について超臨界二酸化炭素を用いないメタノリシスによる乳酸メチルの生成について調べた結果、添加剤等の種類によっては生成量が低下するがほぼ定量的に乳酸メチルが生成し、ケミカルリサイクルの1つの手法として有効であることが分かった。

コア技術名 8.画像応用技術

主要研究題目 移動型画像計測システム
研究区分 指定
研究者 (電子情報部)○黒宮明、渡部謹二、井谷久博
研究概要

1.目的

カメラを移動することによる広範囲かつ3次元情報を含む画像計測技術の確立を行う。

2.内容

移動カメラによる線状領域撮像方式において広範囲な撮像と形状計測を行なうシステムを試作、評価した。被写体までの距離が限定された状態で広範囲を撮像する方法、形状計測に必要な2台のカメラの撮像範囲をすべて重複させる方法を確認する。

3.成果

ここでは、センサ長が2cm、レンズと被写体との距離を2mに限定した状態で撮像範囲を広くとることを試みた。2つのカメラの撮像範囲がすべて重複する方式において画像撮像と形状計測を行った。真上からではなく、斜め上方からの撮像によって、2台のカメラの撮像範囲を重複させたとき、レンズ収差の補正手法、撮像方向を仮想的に真上にする画像変形、形状計測に必要なカメラ校正を行った。

分担研究題目 ビデオ信号処理に関する研究
研究者 (電子情報部)○黒宮明、渡部謹二
研究概要

研究結果

LSI設計の際にエミュレーション用として採用されているFPGAと呼ばれるデバイスを用いて画像処理を行った。現在ではこのデバイスは単価が下がってきており、小中量生産の製品に用いられることが多く、特に中小企業向けのデバイスであるといえる。
640×48030フレーム/secの動画像に対してフィルタ処理、テンプレートマッチング処理を用いたパルスノイズ検出・修正回路を設計・実装を行った。実装の結果、実時間処理を達成した。論理設計・実装の工程中で動画像処理はシミュレーション時間が過大となり全体の設計行程の中で負担が最も大きい。
今回の開発環境では、4フレーム分の処理をシミュレーションするのに6時間以上必要とした。本研究開始当初ではあまり普及していなかった画像デジタルインターフェースを採用し、実機においてデータ収集を行うことによってシミュレーション回数を少なくした。A/D,D/A変換を行わないデジタルインターフェースを採用し、また書き換え可能であるFPGAを使うことで可能になる手法である。

分担研究題目 画像情報を用いた移動ロボット制御システムに関する研究
研究者 (電子情報部)○井谷久博、梶田欣
研究概要

研究結果

前年度考案したシンプルなルールからブースティングアルゴリズムによって高度なルールを獲得するシステムの検討・改良を行い、画像から得られる情報を入力として回転角度のみを制御して通路を通過するロボットに適用した。さらに、獲得したルールを用いて限定環境下でも制御性能の向上するシステムを考案し、シミュレーションにより有用であると確認した。

コア技術名 9.ユビキタス・IT対応技術

主要研究題目 ユビキタスIT対応型デバイス、デバイス製造・設計技術、計測技術の開発
研究区分 共同(中部エレクトロニクス振興会)
研究者 (電子情報部)○白川輝幸、山田範明、小島雅彦、伊藤治彦、宮田康史、小田究
研究概要

1.目的

ユビキタスITはモバイル、ポータブル、高周波利用という特徴がある。これらの技術の中小企業における対応は十分とは言えないのが現状である。本研究は、ユビキタスITに対応した技術開発を支援するために、関連の設計技術や計測技術を確立するとともに、それをもとに新規デバイスを開発することにある。

2.内容

GHz帯ノイズ対策技術を確立するために、磁性シートの放射減衰率の測定やマイクロストリップラインに磁性シートを貼った場合とシートのない場合のそれぞれについて、クロストークを測定し線間のクロストークに対する磁性シートの影響を調べる。

3.成果

放射ノイズやクロストークを抑制する方法として磁性シートは有効な手段であるが、放射ノイズについては対策したい周波数を、クロストークについては反射や入力ラインの伝送係数について考慮しなければならない。

主要研究題目 組み込みOSの試験と検証
研究区分 共同(中部エレクトロニクス振興会)
研究者 (電子情報部)○小川清、斎藤直希、渡部謹二
(機械金属部)真鍋孝顯、松下聖一
研究概要

1.目的

コンピュータを内蔵する機器において利用するオペレーティングシステムの試験及び検証としてどのような作業をすればよいか、どのような国際規格をはじめとする工業標準を利用すればよいかを明確にする。

2.内容

国際規格のPOSIXSQuaREを元に、試験の分類を行い、どのような目的に対して、どの部分を試験するかを明確に説明しやすくした。また、具体的なプログラムを示すことにより、問題の大きさ、検証の困難性を示した。具体的には、8ビットの計算と16ビットの計算では計算時間が216乗以上の違いがあることを示した。

3.成果

企業の方々を中心に、産学官が一体となって、例題のプログラムを作成できた。また、国際規格を実際に利用する際に、国際規格が多岐にわたっていることと、扱うプログラムの場合の数が多すぎるため、試験が終了しないため、有効な期限内で試験が終了する方法を提案した。

主要研究題目 ナノ技術を応用した表面機能化に関する研究
研究区分 共同(産業技術総合研究所)
研究者 (電子情報部)○小島雅彦、吉田和敬、村瀬真
研究概要

1.目的

撥水性は、例えばパイプのつまり防止やOA機器等の表示画面の汚れ防止など多くの応用が考えられ、巨大な潜伏市場が待ち受けている。固体表面への撥水性などの機能を付与するナノレベルの技術について検討し、応用可能な分野を開拓する。

2.内容

有機分子が固体表面上に自発的に配向した厚さわずか一分子層の超薄膜である、SAMSelf­assembled monolayer:自己組織化単分子膜)による表面機能化を検討している。六価クロメート代替を考慮した応用として、SAMで形成した防食膜について調べた。

3.成果

亜鉛めっきを施した鉄のサンプル表面へは、有機シラン系の原料を用いたSAMを形成することでサンプル表面への撥水性等の機能化が可能であることが分かった。しかし防食膜として実用的な性能を持たせるためには、SAMの強度や密度など多くの課題があることが明らかになった。

コア技術名 10.燃料電池技術

主要研究題目 燃料電池の開発と応用
研究区分 共同(名古屋大学)
研究者 (電子情報部)○宮田康史、岩間由希
研究概要

1.目的

燃料電池は発電効率が高く、環境負荷が低い次世代の発電装置として期待が高く、内燃機関の代替や分散型電源、可搬型電源として研究開発の取り組みがされている。今年度は、これまで工業研究所で行ってきた燃料電池の開発を進め、小型化に有利な液体燃料が利用可能な固体高分子形燃料電池材料と中温域対応の全固体無機系電解質の開発および評価技術の高度化を目標とした。

2.内容

燃料電池の性能向上とアルコールなど液体燃料の利用を可能とするための材料開発と評価技術を実施した。新たな電解質膜と白金を用いない電極触媒の開発に成功し燃料電池特性を確認した。中温域で作動可能な燃料電池の材料開発として全固体の無機系薄膜電解質の材料開発および製造プロセス開発を行った。さらに新しい材料を用いた電極の工程開発も行い、燃料電池評価を可能にした。また、電解質内のイオン伝導機能を解析するため、赤外吸収スペクトルにより電解質中の水およびプロトン伝導部の検出のため赤外吸収スペクトルを取得した。

3.成果

新規開発の無機系電解質は高いイオン伝導度を示し、100℃を超えると電池出力が低下するものの低温から中温域まで燃料電池特性を確認できた。しかし、従来の固体高分子電解質膜に比べ電池特性が低いため、電解質の薄膜化や高イオン伝導化のより高性能電池の実現に取り組んでいく。また、赤外吸収測定により、イオン伝導体のプロトン伝導では電解質と強く相互作用した水が関与していることが推察され、得られた知見を新規電解質開発に応用していく。

コア技術名 11.金属材料の破損調査とその利用技術

主要研究題目 金属材料の破損・不良調査事例のデータベース化
研究区分 指定
研究者 (機械金属部)○山田隆志、山崎実、松井則男、橋井光弥、毛利猛、山田博行、川尻鉱二
研究概要

1.目的

当地域中小企業から持ち込まれる金属材料の破損・不良調査依頼に対し、的確・迅速に応えられる体制を維持・強化するために、過去の調査事例を活用するデータベースの構築を目指す。最終年度にあたる今期は、昨年度設計したデータベースの最終検討および相当数のデータ入力を行う。

2.内容

過去の成績書を洗い出し、有用な調査事例を選別して本データベースに蓄積する。それに関連する成績書が参照できるよう、成績書をPDF化してリンクさせる。さらに、出力フォームにおいて破損・不良の調査結果を「結果キーワード」等で検索することで絞り込みを行う仕組みとする。

3.成果

金属材料および製品などの破損・不良調査に関するデータを多数保有する調査事例データベースを構築した。これにより必要データの入手が迅速化され、また、各データから関連する成績書の参照が容易となったことから、金属材料の破損等原因解明の支援ツールとしての活用が期待される。

主要研究題目 セラミックスの耐熱部品および耐磨耗部品への応用に関する研究
研究区分 共同(産業技術総合研究所)
研究者 (機械金属部)○橋井光弥、山田博行、山田隆志、内藤寛
研究概要

1.目的

耐熱性に優れるだけでなく容易に機械加工できるセラミックス(いわゆるマシナブルセラミックス)の製造技術を開発する。従来法よりも環境負荷を大幅に削減して低コストで製造する技術を確立する。本材料はたとえば「熱処理・鋳造設備向けのセラミックス部材」としての利用が期待できる。

2.内容

長石をバインダーとしてBN粉末焼結を行った。低純度(高酸素)と高純度の2種類のBN粉末を原料として用いて比較した。従来技術では非酸化性雰囲気で1900K以上で加圧焼結する必要があるが、本研究では大気中・無加圧・1473K以下の低温で焼結した。焼結機構を検討し、焼結体を評価した。

3.成果

酸素を多量に含む低コストのBN粉末を長石と混合すれば、大気中・無加圧・低温度焼結でBN・長石/複合体を作製できることを明らかにした。原料成分が焼結体強度に及ぼす影響を大まかに把握し、有効な原料粉末を見出すことで、焼結体強度を従来品(シーズ)の約8倍にアップさせることができた。

分担研究題目 リサイクル性に優れたステンレス基複合材料の開発
研究者 (機械金属部)松井則男
研究概要

研究結果

Fe­48at%Cr+4wt%Si組成のメカニカルアロイング時間が180ksの粉末を973Kで72ks間熱処理した粉末と、SUS410L粉末の混合に遊星型ボールミルを使用し、さらに放電プラズマ焼結機による固化成形では、973Kで300s間保持した後に1273Kで300s間保持する二段焼結パターンにより、σ相が均一に生成した緻密な焼結体が得られた。組織観察の結果、遊星型ボールミルによる混合時間は18〜36ksが望ましいことがわかった。

コア技術名 12.化学分析・化学計測技術

主要研究題目 環境対応型新材料および有害微量成分の分析評価技術の開発
研究区分 指定
研究者 (材料化学部)○酒井光生、大橋芳明、野々部恵美子、佐藤眞
研究概要

1.目的

本研究では、鉛レス銅合金など環境規制の強化に伴って登場してきた新素材の主要成分および微量成分の分析法を開発し、社内標準試料の値付けや品質管理分析などに適用して、中小鋳物業者等における製品の品質向上を支援することを目的としている。

2.内容

本年度は、蛍光X線法による銅合金の迅速分析法の開発を中心に、昨年度までに開発した湿式的手法による精密分析法の妥当性の検討、アルミニウム合金中の微量成分の高温炉原子吸光法による定量性の検討をおこなった。鉛レス銅合金の蛍光X線法による分析においては、共存成分の影響が大きいので、分析試料に対応した標準物質は得難い。また、熱履歴や加工履歴による影響を考慮する必要もある。そこで、これらの問題点を解決するために高感度点滴濾紙法およびガラスビード法の適用性について検討した。

3.成果

高感度点滴ろ紙法では微量成分を感度よく測定が可能であるが、再現性にやや問題があった。一方、ガラスビード法では再現性および検量線の正確度に優れるが、Cuが低値になるなど課題が残った。両法とも試料に応じたテーラーメイドな検量線を得られるので、今後、残された問題点について引き続き検討する予定である。湿式的手法についてはその妥当性が確証できた。また、高温炉原子吸光法によるアルミニウム系合金中のPb, Cd, Snなどの微量成分定量法について、その定量可能域を明らかにした。

コア技術名 13.熱・音響・振動計測による材料・製品の評価技術

主要研究題目 熱・温度に関する材料物性評価、熱設計技術
−熱物性評価技術、放熱促進技術の開発−
研究区分 指定
研究者 (電子情報部)○高橋文明、小田究、梶田欣、野呂重樹
研究概要

1.目的

最近の電子機器では、小型化あるいは高性能化に伴う発熱量の増加が深刻な問題になっている。これに対して、シミュレーション技術を用いた熱対策技術、いわゆる熱設計を製品開発に活用する事例が増えている。本研究では、熱設計技術を確立するため、以下の内容で指定研究に取り組んだ。

2.内容

本研究では熱設計を行う上で重要になる熱伝導率、比熱容量等の熱物性の測定技術の開発を行うとともに、電子機器の熱対策のために、静音性やコスト面に優れた自然空冷を用いた放熱促進技術の開発を行った。

3.成果

基板上に作製された金属薄膜の熱伝導率測定技術ならびに比熱容量測定技術は、実用上問題のないレベルまで到達することができた。また、放熱促進に関する実証試験を行い、熱伝達率(放熱性)を1020%程度向上させることがきた。

主要研究題目 熱・温度に関する材料物性評価、熱設計技術
−シミュレーションモデルの簡略化に関する検討−
研究区分 共同(中部エレクトロニクス振興会)
研究者 (電子情報部)○高橋文明、小田究、梶田欣、野呂重樹
研究概要

1.目的

電子機器開発における熱設計の位置付けは年々重要度を増しており、中でも自己発熱する電子部品の温度上昇を正確に事前に把握する技術が大変重要となってきている。本研究では、汎用数値流体解析ソフトを用いて効率的に熱設計を行う手法を確立するために、以下の内容で共同研究に取り組んだ。

2.内容

本研究では数値流体解析の利点である「一定レベル以上の計算精度を確保」しつつ、現実的に実施可能な計算規模にするためにはどうしたら良いかを考え、1つの解決策として、「電子部品及びプリント配線板の簡易モデル化の検討」を行った。

3.成果

自己発熱するSOP型電子部品を実装した基板に対して、部品部は端子と樹脂ケースから成る「体積モデル」ならびに、発熱部のみから成る「平面モデル」を提案した。また、プリント配線板部は分割した区分毎に配線比率から算出した区分毎の熱伝導率を持つ「配線モデリング」を提案した。その結果、モデリング及び解析に要する大幅な時間短縮と実用上問題のない精度での温度予測が可能になった。

分担研究題目 低騒音化に関する音響振動技術の研究
研究者 (電子情報部)○山内健慈、奥村陽三
研究概要

研究結果

材料遮音特性の簡易評価法確立のため、測定用簡易遮音BOXの音響特性を把握し、誤差要因の検討を行った。実際に鋼板を用いて遮音特性の簡易評価を行ったところ、1k〜2kHzでは高めの数値を示す結果となった。本評価法では測定の簡略化による誤差を含むため、規格に従って測定された音響透過損失の結果と単純比較はできないが、短時間・低コストに材料の比較評価を行える試験方法として活用できることが確認できた。

コア技術名 14.電子機器の信頼性評価と環境対応技術

主要研究題目 電子機器の高信頼性化に関する研究
・実装技術に関する研究
・電磁環境に関する研究
研究区分 共同(中部エレクトロニクス振興会)
研究者 (電子情報部)○小島雅彦、林幸裕、伊藤治彦、吉田和敬、村瀬真、山田範明、白川輝幸、月東充、野呂重樹
研究概要

1.目的

電子機器の信頼性を向上するため、鉛フリー化に関する信頼性評価技術および電磁ノイズ対策技術の確立を目指す。ウィスカの問題、はんだ付け部分の外観形状に関するIPC規格の評価、高速伝送プリント基板の電磁ノイズ対策に取り組んだ。

2.内容

めっき条件、めっき後の加熱条件の違いによるすずウィスカの発生に関して、オージェ電子分光の深さ方向分析、FIBにより断面研磨した試料のSEM観察によって調べた。はんだ付け部分の外観形状がIPC規格にのみ適合する試料と、国内メーカー基準に適合する試料を作製して、熱衝撃試験を行った。プリント基板上の高周波信号伝送線路におけるグランドが信号伝送特性に及ぼす影響と高周波信号伝送線路周辺の電磁界分布を調べた。

3.成果

めっき層に生成されるCu­Sn金属間化合物とウィスカ発生との相関を明確にした。外観形状がはんだ接続信頼性に及ぼす影響を明らかにすることができた。グランドが信号伝送特性に与える影響と50Ωの終端抵抗が伝送線路周辺の電磁界に影響を及ぼしているらしいことを把握した。

コア技術名 15.高強度マグネシウム合金の創製技術

主要研究題目 金属強化マグネシウム合金複合材料の創製
研究区分 指定
研究者 (生産技術部)○毛利猛、山岡充昌
研究概要

1.目的

構造用材料としてのマグネシウム合金は現状では強度や剛性の低さが問題点として挙げられる。そこで、合金元素の少ないマグネシウム合金をマトリックス、強化材を金属とした複合材料を創製し、強度・剛性を向上させたマグネシウム合金の開発を目指す。

2.内容

母相にはカルシウムを添加したマグネシウム合金、強化材には反応して金属チタンを生成させる化合物(水素化チタン)を用い、攪拌法により複合材料を作製し各種特性の評価を行う。

3.成果

まず、母相へのカルシウム添加と鋳造により金属チタン粒子の分散性向上をはかることができた。この複合材料の引張強度は母相単体よりも10%程度向上した。また、溶湯への水素化チタンの直接添加は急激な脱水素により水素爆発がおき危険であるが、無加圧浸透法を適用することで安全に分散させることができた。このビレットを用い継ぎ手形状への鍛造を行った。

コア技術名 16.製品の長寿命化技術

主要研究題目 製品の長寿命化技術
研究区分 指定
研究者 (材料化学部)○二村道也、林英樹
研究概要

1.目的

製品の破壊は、応力が集中または不均一となる形状急変部や接着部近傍が起点となりやすく、これら箇所のひずみが破壊寿命を決定する重要な因子と考えられる。従来技術ではこのようなマイクロメータスケールの微小部ひずみは測定困難なことから、顕微ラマン分光を用いた新しいひずみ測定技術の開発を目的とする。

2.内容

顕微ラマン分光を用いた微小部ひずみ測定技術は、繊維など高配向材料のひずみ測定には実績があるが、ラマン不活性な金属や低配向のプラスチックには適用できない。そこで、(1)ラマン分光によりひずみ測定可能な高配向コーティング材料の開発、(2)コーティングを利用したひずみ測定技術の開発を行った。
 

3.成果

開発したポリジアセチレンをベースとした化合物を使用し、多軸ひずみ測定を可能とする方法について検討した。コーティング材料に加えたひずみの方向とレーザの偏光方向の角度を変えたところ、ラマンピークの移動量に違いが認められたことから、偏光測定によるひずみ方向成分の分離可能性が見出せた。

分担研究題目 軟質材における動的弾性率による耐熱性の評価および損失正接による振動減衰性の評価
研究者 (機械金属部)足立廣正
研究概要

研究結果

マイクロセルポリウレタンフォームにアクリルフォーム接合テープを挟んだ複合型試料に対して圧縮モードで動的粘弾性測定を行い、損失正接を求めた。アクリルフォーム構造用接合テープの厚いほど、マイクロセルポリウレタンフォームの貯蔵弾性率が小さいほど常温における損失正接は大きくなることがわかった。これはアクリルフォーム構造用接合テープとマイクロセルポリウレタンフォームとの弾性率の違いによる伸縮変形のヒステレシスに起因すると考えられる。

分担研究題目 等方性軟質材料緩衝材による製品の衝撃緩和技術の確立
研究者 (機械金属部)○奥田崇之、西脇武志
研究概要

研究結果

製品の衝撃による破壊を防ぐためには、緩衝材が必要不可欠であり高い信頼性も求められている。本研究では、市販の緩衝材に対して衝撃体を自由落下させることにより、衝撃荷重、加速度および圧縮変位を同時測定し、さらにそのデータをもとにCAEによる緩衝材の衝撃緩和に関するシミュレーションを行った。その結果、緩衝材の実測により衝撃吸収特性を数値的に把握することができ、またCAEによる計算では実測に近い実験結果が得られた。今後は、実製品の緩衝材シミュレーションを検証していく予定である。

分担研究題目 機能性炭素材料を含有した複合材料に関する研究
研究者 (電子情報部)○吉村圭二郎
(材料化学部)中野万敬
研究概要

研究結果

CMC(カーボンマイクロコイル)を含有した複合材は、変形に伴い電気的特性が大きく変化するため、カーボンブラック/樹脂複合材に代わる触覚センサ−材料として期待されている。本年度の研究ではダンベル形状の複合材を作製し、製品化の際に重要となる柔軟性をヤング率と伸びから評価した。この結果、カーボンブラック/樹脂複合材においては、樹脂単体と比較し柔軟性が大きく失われているのに対し、CMC/樹脂複合材においては、柔軟性が維持されていることがわかった。

大学共同研究(1テーマ)

主要研究題目 SOFC用電解質の開発と電池への応用(名古屋工業大学)
研究区分 指定
研究者 (電子情報部)岩間由希
研究概要

1.目的

低環境負荷な発電方法である燃料電池技術の1つとして固体酸化物型燃料電池(SOFC)がある。その主な構成要素である電解質について、より優れた特性を持つ材料の探索及び作成を行い燃料電池への応用を目指す。

2.内容

電解質材料であるジルコニアに少量の別元素を添加して安定化する際、添加元素のイオン半径によって導電率が変化する傾向がある。本研究ではカルシアまたはイッテルビア安定化ジルコニアにさらに第3成分としてガリウムを添加した場合の特性変化を検討した。
 

3.成果

疑似ゾルゲル法によりカルシア及びイッテルビア安定化ジルコニアである固体電解質材料を作成出来た。第3成分として添加したガリウムは試料の結晶構造を変化させ導電率に影響を与えることが分かった。

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