名古屋市工業研究所

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中期目標計画

名古屋市工業研究所 中期目標・計画

平成23年度〜平成27年度

1.趣旨

名古屋地域のものづくり産業は、高い技術力を誇る多くの中堅・中小企業群に支えられて着実な成長を遂げ、地域経済を牽引してきました。しかし、経済グローバル化と新興国の台頭による国際競争の激化に加え、継続的な円高傾向により外需型産業への依存度が高い当地域は現在、非常に厳しい状況に置かれています。また、近年ではハイブリッド車や電気自動車の開発・普及という技術イノベーションが進行しており、輸送用機械器具製造業が大きな割合を占める当地域の産業は新たな課題対応に迫られています。

このような先行き不透明な状況において、中小製造業が安定した経営を維持するためには、様々な変化に柔軟に対応できるように基盤となる「技術力」を強化しなければいけません。また、独創的で付加価値の高い新製品・新技術を継続的に開発、提案し、発注元の動向に影響されやすい請負型から開発型へと変わっていくことが望まれます。しかしながら、中小企業の多くは不良品対策等の日常的な課題解決に時間と労力を費やし、技術力向上のもととなる研究開発や人材育成が後手に回っているのが実情です。

様々な課題を抱える中小企業に対し、工業研究所では目標管理の概念を取り入れた第1期(平成17年度〜19年度)中期目標・計画を定め、「直面する技術課題の解決」と「新製品・新技術の開発」を要として技術支援に注力してきました。第2期(平成20年度〜22年度)では同様にその質的向上を目指し、着実に成果を挙げてきました。第3期(平成23年度〜27年度)では引き続き基盤技術力の向上のための支援を行うとともに、当地域の中小企業が産業構造の転換に迅速に対応できるよう、次世代産業に関する情報や技術シーズの提供に努めていきます。あわせて、名古屋市の産業振興の施策の一翼を担っている工業研究所を、広く市民の皆様に知っていただき、製造業に対する支援の必要性を理解していただけるように、広報活動に力をいれます。

今後の10年を見据え、当面の5年間のビジョンを定めた名古屋市工業研究所基本方針に基づき、ここに平成23年度から27年度にわたる5年間の中期目標・計画を定めるものです。

2.指針

  1. 中小企業や業界団体との距離を縮め、「まずは工業研究所に相談」と言って頂ける地域に根ざした「現場に最も近い支援機関」を目指します。
  2. 名古屋市の直営機関として、「安心で信頼できる」技術支援を提供します。
  3. 効果的な支援を行うために、集中的に技術資源を投入する「指定分野」を定め、工業研究所自体のレベルアップを図ります。
  4. ものづくりは人づくり」との視点に立ち、名古屋地域のものづくりを支える人材の育成に取り組みます。
  5. 企業、業界団体、大学、研究機関等の連携を強化し、「地域の中小企業への技術移転」を推進します。
  6. 「目標管理型の運営と外部評価」および「情報公開」を実施し、業務の効率化と透明性の確保に努めます。

3.中期目標・計画(平成23年度〜平成27年度)

(1)指定分野への集中的な取り組み

技術の高度化が進むなか、広範囲にわたる基礎的な支援のみでは不十分であり、地域性を考慮した選択と集中による高度な支援が必要とされています。そこで、工業研究所が保有する技術を活用することにより成果が見込まれ、当地域の産業振興に資すると期待される5つの指定分野を定め、技術資源を集中的に投入して研究開発を効率的に展開します。指定分野に関して得られたノウハウは新たな得意技術として確立し、中小企業への技術支援に活用します。

<指定分野>

  1. 機能性・軽量部素材
  2. 環境対応技術
  3. CAE(Computer Aided Engineering)
  4. 信頼性技術
  5. ICT(Information and Communication Technology)
  • 指定分野に関する研究を実施し、成果の中小企業への移転を目指します。
  • 技術動向や企業ニーズに即した機器の導入を計画的に進め、研究開発および技術支援の高度化を図ります。

(2)課題解決型技術支援

ユーザビリティ(使い勝手)とユーティリティ(有効性)の向上を図り、不良品対策や製造工程の改良をはじめとし、中小企業が日々直面する技術課題の解決を強固に支援します。また、分析力と応用開発力に優れた「ものづくり人材」を育成します。

  • 工業研究所の利用歴を体系的に蓄積した企業カルテを作成し、技術支援の充実を図ります。また、工業研究所に関する評価や要望を調査し、事業運営に反映します。
  • 電話・窓口・電子メール等による通常の技術相談に加え、職員が中小企業を訪問する「出向きます」技術相談を継続し、現場における課題の解決とニーズの把握を図ります。
  • 業界の共有課題に対する研究会や多様な要望に対応した研修を実施します。また、研修の効果に関する追跡調査を行い、研修内容を改善します。
  • 依頼試験等の手数料や設備の利用方法を、中小企業などの利用者にとって分かりやすく使いやすいものにします。

(3)開発型技術支援

安定した企業経営にはニーズの変化や高度化に対応した恒常的な技術開発が欠かせません。意欲ある中小企業が技術の高度化・差別化を進め、新製品・新技術を開発するにあたり、各段階において多様な支援を行います。

  • 実用化を目指した研究を受託し、「名古屋発オンリーワン」の新製品・新技術の開発を支援します。さらに、国等の外部資金を活用した研究開発を推進します。
  • CAEを活用した試作支援機能を強化し、製品性能の客観的評価や三次元造形による「技術の見える化」を進めます。これにより、設計・試作・評価から製品化までの技術面を総合的にサポートする体制を確立します。
  • 財団法人名古屋産業振興公社と協力し、販路開拓を視野に入れた中小企業の技術指導を行うなど、「売れる」製品の開発を支援します。

(4)技術高度化支援

プラズマ応用技術等の新しい製造技術、環境浄化や資源リサイクル等の環境課題、次世代自動車等、今後の成長が見込まれる産業分野に関する情報収集や研究開発を強化します。その成果を活用し、中小企業の「新たな産業分野」への参入を支援します。

  • 技術の高度化に対応できる所内人材の育成に取り組み、中小企業が「新たな産業分野」に進出するための支援体制の確立を目指します。
  • 「出向きます」技術相談に加え、経営層への訪問も行います。これらの結果やアンケート調査により要望される支援策を把握し、事業運営に反映します。
  • 「新たな産業分野」に関する講演、講習会等を開催し、情報提供を行います。また、関連分野の研究を推進し、取得した技術シーズを中小企業に移転します。
  • 国等の外部資金を活用した研究開発を推進します。

(5)技術連携の強化と推進

公設試験研究機関や大学等との連携による中部地区ネットワーク機能を強化し、シナジー効果による効率的な技術支援を行います。また、オープンイノベーションによる企業間の連携を推進します。

  • 連絡会議等を定期的に開催して地域の他機関との連携を強化し、各々の役割分担のもと相補的な技術支援を行います。
  • 共同研究や合同発表会をはじめ、地域の他機関との共同事業を推進します。
  • 工業研究所の保有する企業データや関連する研究会を利用し、企業間の連携を推進します。
4.外部評価
工業研究所が効率的かつ効果的な支援業務を実施しているかどうかを公正に検証し、その結果を業務に反映するため、有識者による外部評価を引き続き行います。業務全般を評価する「機関評価」および研究課題を評価する「研究課題評価」を実施します。
5.情報公開
外部評価結果等の情報公開を進め、工業研究所の業務運営の透明性を確保します。また、他機関との連携を活用してホームページ等による広報活動を拡充し、中小企業のさらなる利用促進を図ります。一般市民向けの施設公開を充実させ、市民に親しんでいただくとともに事業に対する理解を深めていただきます。
組織体制の検討
名古屋市産業振興ビジョン(平成23年3月策定)(外部リンク)に定める産業振興施策との調整を図り、柔軟、迅速で効果的な技術支援を提供できるように、工業研究所の組織体制を見直し、その効果を検証します。
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