平成18年度公設工業試験研究所の
設備拡充補助事業関連物件

( 補助事業番号 18-93 補助事業者名 名古屋市 )

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事業概要

名古屋市及びその周辺地域では、自動車を始めとする輸送機械・機器などの工業製品が多く製造されている。地球環境への悪影響を最小限に抑えるため、輸送機 器産業では、CO2排出量削減のために車体構造を軽量化することが重要な課題となっており、軽量化部品の製造が検討されている。軽量化部品の製造の代表的 な手法は鋼板製既存部品をアルミニウム合金板製に置き換えることであるが、アルミニウム合金板はプレス加工性に劣るため、その製造が困難となっている。

本事業では、部分軟化法によるプレス加工という新たな技術により汎用のプレス加工機で製造可能なアルミニウム合金板製軽量化部品の製造技術の開発や生産技 術の開発に取り組む。さらに、環境影響物質使用規制の観点に立ち、環境対応材料を用いた自動車用電子部品等の信頼性評価技術の開発を目指す。そのために必 要となる所要機器を設置して設備の拡充強化を図り、当地域の中小企業の指導・育成に努め、技術水準の向上及び発展に寄与する。

予想実施効果

輸送機器製品に使用される構造部品の製造加工は、多くの中小企業によって支えられている。近年、環境問題への対応から、構造部品の軽量化によって省エネル ギーを図りCO2排出量の削減を行う検討が盛んに始められており、中小企業もその製造技術に対応する必要が生じている。本事業で開発する自動車軽量化部品 の製造技術は、新しい製造設備を必要とすることなく難加工金属板であるアルミニウム合金板を加工可能にする技術であり、中小企業でも容易に取り組むことが できる。さらに、本補助事業で導入する設備およびこれにより開発される技術は当所での簡単な成形品の試作やその評価を可能にするため、中小企業による新部 品開発や技術力向上に寄与できるものと考えられる。このような部品製造技術の開発に加えて、環境に対応した材料に代替した自動車用電子部品の信頼性評価技 術の開発を図ることにより、部品採用の実現性が一層高まることが期待される。

導入設備概要

以下の新規設備一覧をご参照ください

<新規設備一覧>

万能塑性加工試験機
設置場所:【名古屋市工業研究所 生産加工研究室】
部分軟化したアルミニウム合金板をはじめとして各種金属板のプレス加工や成形性試験に使用する。 

イ 金型温間システム
設置場所:【名古屋市工業研究所 生産加工研究室】
短時間に部分的な大入熱加熱を行ないプレス成形性に優れる部分軟化アルミニウム合金板を作製する。また、各種金属板のプレス成形性試験に使用する。

 ウ オージェ電子分光測定制御装置
設置場所:【名古屋市工業研究所 電子素子加工実験室】
作製した部分軟化アルミニウム合金板の組織や析出物の同定を行うことができる。

 エ はんだ導体抵抗評価システム設置場所:【名古屋市工業研究所 環境試験室】
実装基板を対象に、高温および低温の雰囲気に交互にさらして熱ストレスを繰り返し与えたり、温湿度サイクル試験を行いながら、基板上のはんだ接合部の抵抗値を連続測定し、はんだ接続信頼性を評価できる。

お問い合わせ

団体名:名古屋市工業研究所(ナゴヤシコウギョウケンキュウショ)
住 所:456­­­-0058
名古屋市熱田区六番三丁目4番41号
代表者:名古屋市工業研究所長 久米 道之(クメ ミチユキ)
担当部署:研究企画室(ケンキュウキカクシツ)
担当者名:室長 三宅 卓志(ミヤケ タクシ)
電話番号:052­­­-661­­­-3161
FAX:052­­­-654­­­-6788
E­mail:kikaku@nmiri.city.nagoya.jp
URL:http://www.nmiri.city.nagoya.jp/

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