研究報告

平成24年度研究報告

重点事業 (1テーマ)

事業名 製品の評価技術に関する研究開発
指定分野 信頼性技術
担当 [システム技術部]:製品技術研究室、生産システム研究室
[材料技術部]:金属・表面技術研究室
補助事業名 公設工業試験研究所の設備拡充補助事業〈(財)JKA〉

1.目的

ものづくりの国際競争力を高めるためには、製品の付加価値を上げるとともに、製造工程の効率化と低コスト化を図ることも重要である。その手法として、設計→試作→検証とそのフィードバック技術を向上することで、信頼性、即応性が勝ち取れると考える。特に製品の検証については、その評価の精度、信頼度、高速化が必要になっている。たとえば、製品形状の3次元的な評価は、従来の測定法では時間がかかるなどの問題があり、新たな評価技術が求められている。そこで、本研究では、JKAの設備拡充補助事業により導入された装置および従来の計測装置を用いて、ものづくりに不可欠な形状面と強度面の評価技術の高度化を目指す。

2.内容

金型製品のように金型の形状精度が、その製品の精度と強度に影響を与え、場合によって、金型の変更や修正が必要になっている。また、歯車やねじ等の組み付けることで機能する部品においては、その形状精度が負荷応力に影響し、破損に繋がる要因として考えられる。しかし、いずれも3次元的な検証が必要であるが、それを評価する技術は確立されていない。したがって、その製品評価をするために、JKAの設備拡充補助事業により非接触三次元デジタイザを導入し、その活用について検証研究を行い、加えて、技術普及を行った。この機器を活用することで、測定データとCADデータとの比較により、設計の効率化が可能であり、またリバースエンジニアリングやCAEなどへの発展が見込まれる。本年度は測定条件を変化させて、基本的な測定技術について検証をした。

3.成果

機器の性能把握を行うため、試行的な測定試験をおこなった。まず形状の認識性能について調べた。形状は三次元点群・メッシュデータとして出力されることから、製品の位置座標の把握が重要で、そのためのカメラ校正や位置把握するためのマーカーの貼り付けと認識、および回転テーブルの撮影分割などを種々の条件で行った。マーカーの貼り付け方法や回転テーブルでの撮影位置を適切に選ぶことで、複雑形状を認識できることがわかった。測定精度については段差ゲージの測定で1/1000mmの段差が把握できた。
実際の製品として、金型の形状測定を行った。金型にはしぼ加工が施されていて、デジタイザの測定でそれが確認できた。CADデータでは加工法まで把握できないところ、実測することで実際の金型の確認ができることが分かった。

設置機器

機器名称 型式・性能 製造所名 設置年月日
非接触三次元デジタイザ ATOS Ⅲ

Triple Scan

独GOM社 H25.2.14

重点研究、共同研究、および指定研究

研究題目 製品の評価技術に関する研究開発
研究区分 重点
指定分野 信頼性技術
研究概要 重点事業のとおり

 

研究題目 CAEを活用した樹脂部品の設計技術の開発
研究区分 重点
指定分野 CAE
研究者 (システム技術部)○村田真伸、西脇武志、奥田崇之、足立廣正、二村道也
(材料技術部)岡本和明、原田征、高橋鉱次
研究概要 1.目的

自動車車体軽量化のため自動車のさまざまな部品において金属材料から軽量な樹脂材料への材料転換が積極的に検討されている。そのため、コンピュータによるシミュレーション技術(CAE)を活用して、試作以前に樹脂成形部品の機械的強度を予測したいという要望は非常に多い。しかしながら、樹脂材料は金属材料に比べて、構造解析に関する材料物性データベースの構築や解析材料モデルの基礎的な検証などが十分なされていないこともあり、金属材料ほど構造系のCAEが活用されていないのが現状である。そこで、本研究では樹脂材料に対する構造解析技術を開発して、樹脂部品の効率的な設計手法の確立を目指した。開発した技術を自動車関連企業の多い当地域の中小企業へ技術展開することで、これまでの「下請け生産型」から「設計提案型」への体質改善を促し、中小企業の開発競争力強化にも寄与することが目的である。

2.内容

昨年度はデジタル画像相関法(DIC)と呼ばれる非接触のひずみ計測技術を活用して、材料の真ひずみ­真応力関係を高精度に推定できる手法を開発した。本年度は開発した手法を活用して、ポリプロピレンの射出成形試験片を対象に、以下の3つの材料試験を実施し、樹脂材料特有の機械的性質を明確化した。(1)引張試験を実施し、ネッキング部の各方向のひずみから体積ひずみを評価した。(2)圧縮試験を実施し、降伏応力の静水圧応力依存性を評価した。(3)引張除荷試験を実施して、弾性率の塑性ひずみ依存性を評価した。得られた実験データを、樹脂専用CAE材料モデルで扱えるように、引張及び圧縮の真応力­真ひずみ線図、塑性ポアソン比、ダメージパラメータなどの材料パラメータへ変換してCAEへ反映させ、試験片形状での曲げ試験解析、引張試験解析、引張除荷試験解析を行った。

3.考察

(1)引張試験解析では、塑性ポアソン比により体積増加を考慮したことで、引張試験におけるネッキング部の幅が実験値に近づく効果を確認できた。(2)曲げ試験解析では、圧縮の降伏応力の増大を考慮したことで、曲げの荷重が実験に近づく効果を確認できた。(3)引張除荷試験解析では、ダメージパラメータを考慮したことで除荷時の変位の戻り量が実験に近づく効果を確認できた。これら一連の比較解析から、樹脂材料特有の機械的性質を測定してCAEへ反映させることで、樹脂材料に対する構造解析の精度向上を確認することが出来た。

 

研究題目 電子制御機器の設計効率化の研究
研究区分 重点
指定分野 CAE
研究者 (システム技術部)○梶田欣、高橋文明、近藤光一郎、井谷久博、月東充、岩間由希
(プロジェクト推進室)八木橋信
研究概要 1.目的

電子機器の小型高速化によって発熱密度が高くなり、熱に関する問題が大きくなっている。そこで、試作前にシミュレーション等を利用して熱に関する適切な設計ができる技術を確立することを目的とする。また、同時に電磁ノイズの影響を考慮できるようにする。

2.内容

適切な解析を行うために電子部品等の物性を測定する必要がある。材料単体における熱物性測定技術を向上させるとともに、ICなどを部品レベルで熱抵抗の測定を行えるようにした。これによって製品全体での解析が可能になり、試作前の温度予測、そして熱設計の効率化が可能になった。

3.考察

電子部品の熱抵抗測定は1次元的な熱の移動と近似しているが、実際は3次元的な広がりであるため、要素(ジャンクション、ダイパッド、パッケージなど)の切り分けが難しい。これを明確にするために3次元熱解析を併用し、各要素の特徴を調べそれぞれの熱抵抗を特定できるようになった。

 

研究題目 有機無機複合材料の高性能化に関する研究
研究区分 共同(産業技術総合研究所)
指定分野 機能性・軽量部素材
研究者 (材料技術部)○岡本和明、原田 征、飯田あずさ
(システム技術部)村田真伸、近藤光一郎
(プロジェクト推進室)伊藤清治
研究概要 1.目的

複合材料中のフィラーの成形時の流動による配向、相分離やフィラーの極性を利用した二次構造の発現、フィラーの核剤としての性質や加工特性への影響について研究を行い、複合材料のより高機能化、高信頼性化を目指す。

2.内容

X線CTを用いてプラスチックのガラス繊維の配向状態の観察を行い、金型内での樹脂流動との関連評価、CAEソフトウエアのシミュレーション結果との比較を行った。カーボン繊維などコントラストが得にくいフィラーの観察を目的に、銅ワイヤーあるいはめっき処理したフィラーをトレーサーとして、トレーサーの配向と実際のガラス繊維の配向との整合性について評価を行った。

3.考察

樹脂流動により成形品の繊維配向が大きく左右されることがわかった。CAEによる予測は実物とよく一致するがひけ等による空洞がある場合に食い違いが見られ、CAEの予測にそのような要素も組み入れる必要があることがわかった。トレーサーの利用により、CTで一度に評価可能な範囲が拡がっただけでなく、一般的な産業用CTでは困難なカーボン繊維の配向観察が可能となった。

 

研究題目 燃料電池の開発と応用
研究区分 共同(名古屋大学)
指定分野 環境対応技術
研究者 (プロジェクト推進室)○宮田康史、田中優奈
研究概要 1.目的

燃料電池は内燃機関の代替や可搬型電源として、二次電池はスマートグリッドや電動車両の蓄電池への応用として、期待されている。今年度は燃料電池電解質膜の評価法検討と、電池材料として重要な炭素材料の製造装置開発およびこの装置を用いた材料開発を行う。

2.内容

次世代燃料電池では、アルコールやグルコースなど有機物の液体燃料が利用されるため、液中における電解質膜のイオン伝導性能評価が必要となる。そこで酸性溶液中における固体高分子膜のプロトン伝導度の評価法を確立した。また、炭素材料の製造に特化したCVD装置を開発し、ナノレベルで構造制御された炭素材料の作製を行い、二次電池の電極材料へ応用した。

3.考察

液中における伝導度測定が可能となったので、今後は電池電極の開発など、液体燃料電池の実用化研究を進める。また、ナノ構造炭素材料では二次電池電極としてイオン吸蔵性を確認できた。これからは、撥水性を持つ表面処理への応用や触媒担体などへの展開を検討していく。

 

研究題目 無機系排水からの有価金属回収
研究区分 共同(名古屋大学)
指定分野 環境対応技術
研究者 (材料技術部)○木下武彦、柴田信行、野々部恵美子、小野さとみ
研究概要 1.目的

我々は、非イオン性界面活性剤を用いた連続向流泡沫分離法を開発し、希薄溶液からの金の選択分離回収が実施可能であることを示してきた。本研究では、市販の界面活性剤の分析並びに金属イオンとの相互作用のスクリーニングを実施した。

2.内容

回分式の従来の泡沫分離法を用いて、市販のポリオキシエチレン系界面活性剤と金属イオン(1MHCl溶液に溶解)との相互作用を調査した。また上記市販品の分子量分布測定等の構造解析も実施した。

3.考察

相互作用の調査では実施条件下では一部の金属しか相互作用しなかったが、引き続いて界面活性剤の修飾等を含めて幅広く実施し、データベースを構築する。市販品10種の構造解析の結果、一部名称とは異なる構造と推測されるモノもあった。ガリウムを回収対象とした場合には、ポリオキシエチレン鎖長が20前後の界面活性剤が分離に良好である事もわかった。

 

研究題目 炭素繊維強化プラスチックへの装飾めっき技術の開発
研究区分 共同(愛知県鍍金工業組合)
指定分野 機能性・軽量部素材
研究者 (材料技術部)○三宅猛司、松本宏紀、加藤雅章、浅野成宏、山田隆志
研究概要 1.目的

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は自動車をはじめとした様々な分野でさらなる需要が見込まれる。CFRP上への装飾めっきを求める需要のため、CFRP上へのめっき技術開発を目的に行った。

2.内容

試験片はエポキシをマトリックス樹脂とした市販のCFRPを用いた。CFRP表面改質のためにクロム酸溶液に浸漬後、触媒化、無電解ニッケルめっき、電解銅めっきの順に行い、熱処理による密着性への影響について調べた。

3.考察

処理時間1hrと固定し、処理温度100℃、150℃、200℃と変化させた時の密着性への影響は、処理温度150℃以上で良好な密着性が得られた。さらに、処理温度150℃を固定し、処理時間を15分から90分の間で変化させた時の密着性への影響は、処理時間30分以上で良好な密着性が得られた。

 

研究題目 低銀鉛フリーはんだの接合信頼性に関する研究
研究区分 共同(中部エレクトロニクス振興会)
指定区分 信頼性技術
研究者 (システム技術部)○村瀬真、岩間由希、本田直子、竹内満
(材料技術部)加藤雅章、浅野成宏
研究概要 1.目的

環境問題への対応として、電子機器に用いられるはんだやめっきの鉛フリー化が進められてきた。現在の代表的な鉛フリーはんだは3%の銀を含む錫・銀・銅の合金であるが、コストの点から近年、銀の含有量を減らした低銀はんだが注目されている。しかし低銀はんだは実績が少なく信頼性に不安があるため、本研究では、低銀はんだの接合信頼性を確認し、代替の可能性を検討した。

2.内容

銀含有量が1%や0.3%の低銀はんだを用いて(1)熱衝撃試験後の断面観察と剥離試験、(2)イオンマイグレーション試験を行い、従来の鉛フリーはんだと劣化具合を比較した。

3.考察

(1)民生用機器を想定した1,000サイクルまでの熱衝撃試験後の断面観察と剥離試験、(2)イオンマイグレーション試験後の試験基板の顕微鏡観察では、銀含有量に関わらず極端な劣化は見られなったため、民生用機器レベルでの低銀はんだの代替に期待が持たれる。

 

研究題目 溶接ビード外観の定量的評価技術の確立
研究区分 共同((一社)愛知県溶接協会)
指定分野 信頼性技術
研究者 (材料技術部)○毛利猛、川尻鉱二、山田隆志
(システム技術部)山田博行、夏目勝之
研究概要 1.目的

溶接接合部の評価試験は破壊・非破壊の二つに大別され種々の試験法があるが、その中の溶接部の外観目視検査が最も簡便で基本的な方法である。この目視検査をより客観的にかつ定量的に評価するための溶接ビードの外観評価装置の開発を行う。

2.内容

従来の解析ソフトウェアを最新のLabVIEW2011で動作するように改良した。また、スパッタ等のノイズ除去プログラムモジュールを解析ソフトウェアに組み込み一体化することができた。さらに、レーザー計測器に対するノイズ対策を行い正反射によるノイズを減らすことができた。

3.考察

ノイズ除去プログラムモジュールを一体化した解析ソフトウェアは、ノイズの幅やしきい値を設定することができ、より正確な評価が可能となった。また、レーザー計測器の特性から光沢面では正反射によるノイズが出てしまうが、塗装することによりノイズを消すことが可能であった。

 

研究題目 有機電子部材の開発
研究区分 指定
指定分野 機能性・軽量部素材
研究者 (材料技術部)○林英樹、飯田あずさ、石垣友三、山中基資
(システム技術部)村瀬真
研究概要 1.目的

有機材料は無機材料と比較して、軽い、膜形成がしやすい、フレキシブルであるといった特徴を有している。そこで、本研究は、トランジスタや二次電池などの有機電子デバイスを目指した有機材料の開発を行い、素子への応用を行うことを目的とする。

2.内容

自動車や電子製品への利用を想定した有機材料の開発を行い、電子デバイスを作製することにより新たな機能部材としての工業応用を目指し、以下の項目の研究を遂行した。(1) 新規電子機能材料の合成と評価、(2) 素子特性評価技術の確立。

3.考察

新規電子機能材料の合成と評価においては、p-型およびn-型材料としての可能性が示唆される材料が合成できた。また、素子特性評価技術については、環境整備の目処がついたため、さらに、素子の試作・評価を行っていこうと考えている。

 

研究題目 難めっき素材への新しいめっき技術の開発
研究区分 指定
指定分野 機能性・軽量部素材
研究者 (材料技術部)○三宅猛司、松本宏紀、加藤雅章、浅野成宏、山田隆志
研究概要 1.目的

めっきは多種の素材上に行われているが、従来の処理方法では十分な密着性が得られない素材があり、それらに対するめっき技術開発の要望は多い。本研究ではケブラーに代表される化学繊維へのめっき技術開発とステンレス材においてニッケルを用いないめっき処理技術開発を目的に行った。

2.内容

ケブラー繊維等の高強度・弾性率繊維では、繊維表面を改質させるための前処理としてオゾン水などを用い、改質効果および密着性について検討した。ステンレスではニッケルストライクめっきに代わる銅ストライクめっきの有効性ついて検討した。

3.考察

ケブラー繊維では、オゾン水を用いた前処理により繊維表面に凹凸が形成されたが、十分な密着性を有するめっき膜を形成できなかった。ステンレスでは、銅ストライクめっきの電流効率が密着性に影響を及ぼすことが分かった。

 

研究題目 新規可視光応答型光触媒の開発
研究区分 指定
指定分野 環境対応技術
研究者 (材料技術部)○岸川允幸、柘植弘安、川瀬聡、小野さとみ
研究概要 1.目的

酸化チタンは紫外光を照射することで光触媒として作用するため、酸化チタン光触媒の利用場所は外壁等の野外が主であり、紫外光の少ない室内での利用は少ない。室内利用を可能とする光触媒の開発が望まれており、高活性・高耐久性な可視光応答型光触媒の合成を目指す。

2.内容

酸化タングステンは可視光応答を示す光触媒だが、バンドギャップエネルギーが低いために酢酸を始めとする有機物の完全分解ができない。酸化タングステンにFe4[Fe(CN)6]3(プルシアンブルー:PB)を担持させ、反応活性点を作ることで光触媒活性の向上を目指す。また、PB類似物の助触媒性能や、PBと酸化チタンを用いた光触媒についても検討する。

3.考察

PBを担持した酸化タングステンを用いた酢酸分解反応のPB担持量依存性を測定し、その最適条件を得た。また、PB類似物の助触媒性能についても検討したが、助触媒としてPBの性能を超えるものは見つからなかった。鉄混合原子価錯体であるPB内の電子の動き易さが助触媒性能に繋がっていると考えられる。酸化チタンにPBを担持させたところ、可視光照射下での光触媒性能が発現した。

 

研究題目 熱物性評価技術の向上に関する研究
研究区分 指定
指定分野 信頼性技術
研究者 (システム技術部)○高橋文明、間瀬剛、近藤光一郎、梶田欣
研究概要 1.目的

近年の電子機器では、高性能化による発熱量の増加や小型化に伴う放熱面積の減少が深刻な問題になっている。これに対して、シミュレーション技術を導入した熱対策、いわゆる熱設計を行うことで、開発期間の短縮や低コスト化が図られている。本研究では、熱設計を行う際に重要になる熱物性評価技術の向上を図ることを目的として、以下の内容を実施した。

2.内容

現在、熱物性の測定方法として広く用いられているレーザフラッシュ法を対象とし、昨年度実施した認証標準物質の測定に引き続き、今年度は、工業材料として一般的に用いられているもののうち、熱伝導性の異なった4種類の試料を選定して、常温下での熱拡散率測定を行った。

3.考察

試料の厚みによる測定値のばらつきが認められること、また、この傾向は熱伝導性が小さいものほど顕著になることが明らかになった。この要因として、試験体から外界への熱の逃げ(熱損失)によるもの、加熱用レーザ光強度の不均一性によるものが考えられる。次年度は、測定精度に及ぼす要因を定量的に見積もるとともに、測定法の改良も視野に入れて評価技術の向上を目指す。

 

研究題目 広域周波数の電磁波に対応した材料特性及び製品評価技術の開発
研究区分 指定
指定分野 ICT
研究者 (システム技術部)○小田究、村瀬真、竹内満、二村道也
(プロジェクト推進室)宮田康史
研究概要 1.目的

本研究では、電磁波に関連する材料特性及び製品評価として、次の2課題を抽出して取り組んだ。
(1)MHz域までの材料特性評価技術(透磁率、誘電率測定)の広汎な測定への対応及び信頼性向上
(2)ミリ波を用いた製品評価・材料特性評価技術の開発

2.内容

(1)MHz域までの材料特性評価については、JIS規格推奨と通常に供試される場合について、測定の精確度に影響する要因を抽出した。
(2)樹脂材の含水や炭素分散度、結晶多形による物性変化を、ミリ波の透過・反射特性として観測する実験を進めた。

3.考察

(1)精確度要因の抽出から、測定の信頼性検証や推奨される供試体性状の検討が次の課題である。
(2)上記実験から、ミリ波が特に水分や分子性物質の凝集状態に敏感であることが確認され、高い精確度を目指した測定系の最適化が今後の課題である。