平成23年度公設工業試験研究所における
設備拡充補助事業関連物件

( 補助事業番号 23-38 補助事業者名 名古屋市 )

一覧へ戻る

事業概要

名古屋市および周辺地域には、自動車など輸送機械を中心とした各種製造業と、それを支える様々な中小企業が集積しています。これまでカーエレクトロニクス などの電子機器に対して、材料の熱物性測定とシミュレーションを活用しながら、熱設計を中心に対策を講じてきました。しかし電子機器の小型化、高密度化に 伴い、熱対策だけでなく、電磁ノイズ(EMC)による悪影響が大きな課題となってきました。熱対策とEMC対策は相反するため、それぞれの独自対策では十分な対応ができないという課題があります。

そこで、本事業では、小型電子機器を対象に基板から筐体までの開発において、熱や電磁界に関する材料 の正確な測定、および、熱流体シミュレータと電磁界シミュレータの連携によって、最適な構造を得るための設計手法の確立を目指しています。得られた手法を 他の電子機器に展開し、震災、タイの洪水、円高などの困難の中で、産業空洞化が危ぶまれる中小企業のものづくりを支援することが可能となります。

予想実施効果

熱対策に有効な機器3機種、電磁界対策に有効な3機種に加えデジタルマイクロスコープを連携させることで、材料の熱や電磁界に関する高精度なデータの取 得、それを代入してシミュレーションを行う技術、電子基板現物の確認まで包括的な技術支援が可能になりました。中小企業でも、熱とEMC対策された信頼性 の高い製品を設計できるようになることで、グローバルに競争できる製品を名古屋から発信することができるようになります。

導入設備概要

以下の新規設備一覧をご参照ください

過渡熱抵抗測定装置

設置場所:【名古屋市工業研究所 電子技術総合センター】
本装置は、電子部品・回路の詳細な過渡熱抵抗の測定に用います。半導体部品の評価から、はんだ不良やLEDの劣化評価など様々に応用できます。

  

デジタルマイクロスコープ

設置場所:【名古屋市工業研究所 電子技術総合センター】
デジタルマイクロスコープは、デジタル画像として取り込んだ光学顕微鏡像をモニター上で観察できる装置で、試料表面の異物や欠陥の拡大観察、2点間距離や角度、面積等の計測などに適しています。

  

熱拡散率測定装置

設置場所:【名古屋市工業研究所 電子技術総合センター】
熱拡散率測定装置は、材料の放熱性を評価する上で重要な熱物性の1つである熱拡散率を測定する装置です。本装置の特徴として、基板上に作製されたコー ティング材や皮膜などの多層材料や方向によって異なった熱伝導性を持つ熱的異方性材料等の測定が可能です。

  

熱流体解析装置

設置場所:【名古屋市工業研究所 電子技術総合センター】
熱流体解析装置は、CADデータに基づくコンピュータシミュレーションによって熱流体解析を行います。機械部品の流体計算を複雑形状に忠実に行うことができます。このことによって、機器の性能・不具合の早期予測が可能となります。

 

電磁界解析装置

設置場所:【名古屋市工業研究所 電子技術総合センター】
本装置は、電子制御機器などが発する電磁界の高周波領域・大規模な解析が可能であり、EMCの検討などに利用できます。

 

熱伝導率測定装置

設置場所:【名古屋市工業研究所 電子技術総合センター】
本装置は、断熱材等の熱伝導性が低い材料の熱伝導率をJIS A 14122に準拠して測定することが出来ます。

  

高周波材料特性測定装置

設置場所:【名古屋市工業研究所 電子技術総合センター】
高周波材料特性測定装置は、固体のみならずゲル状などの半固体や液体の複素誘電率を測定することができ、固体の複素透磁率の測定もできる装置です。

お問い合わせ

団体名:名古屋市工業研究所(ナゴヤシコウギョウケンキュウショ)
住 所:456­­­­-0058
名古屋市熱田区六番三丁目4番41号
担当部署:支援総括課(シエンソウカツカ)
電話番号:052-­­­­661-­­­­3161
FAX:052­­­­-654­­­­-6788
E­mail:kikaku@nmiri.city.nagoya.jp
URL:http://www.nmiri.city.nagoya.jp/

一覧へ戻る