依頼業務における守秘義務について

当所へ技術相談、依頼試験、委託研究等の依頼を希望される企業の方々から、秘密保持契約についてどうなっているのかというお問い合わせを、しばしば伺いますので、当所の立場および見解をご説明します。

1.名古屋市工業研究所は名古屋市直営の試験研究機関ですので、職員は全て地方公務員であり、「地方公務員法」第34条(秘密を守る義務)を課されています。さらに罰則も定められています。

地方公務員法抜粋

(秘密を守る義務)

第三十四条
職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
2.(略)
3.(略)

(罰則) 第六十条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一.(略)
二. 第三十四条第一項又は第二項の規定(略)に違反して秘密を漏らした者
三.(略)

法律は、当事者間同士の秘密保持契約よりも優先されますので、当所に業務依頼をされた場合、秘密保持契約のあるなしに関わらず、これらの法律条項が職員に適用されます。もしも職員が依頼業務に関わる秘密漏洩を犯した事実がある場合は、警察へ職員を地方公務員法違反で刑事告訴することも可能です。
なおこのような守秘義務違反が認められた場合、職員は名古屋市から懲戒処分を受けます。処分は過失の程度、影響の大きさにより、戒告、減給、停職、免職に分かれ、また職員の上司も処分を受けることがあります。

2.秘密漏洩により損害が発生した場合は、「国家賠償法」第一条が適用されます。

国家賠償法抜粋

(秘密を守る義務)

第一条
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
2 .前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

従いまして依頼業務において職員が秘密漏洩を犯し、依頼者に損害を与えた場合、依頼者は名古屋市に対して損害賠償請求を起こすことが可能です。

結論といたしまして、上記のような法律を前提とし、当所の依頼業務は、通常、秘密保持契約は交わさないで実施していますので、ご理解をお願いいたします。
なお、上記の法律で定められていない詳細な事項等について契約を交わしたいというご希望がある場合は、当所の支援総括室にご相談ください。
名古屋市工業研究所は、皆様に安心してご利用いただける公的機関として、利用者の多様なご要望に極力お応えできるよう努力して参りますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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