平成26年1月9日(木)に、平成25年度研究課題評価委員会を開催し、平成24年度で終了した研究の事後評価、平成25年度に実施中の研究の中間評価、平成26年度から実施する研究の事前評価を行いましたので、その結果を公表します。 |
外部の学識者等6名(別添「名簿」のとおり。)から成る研究課題評価委員会において、当所の研究計画および研究成果を客観的に評価し、効果的・効率的な研究の実施、予算、人員等の重点的・効率的配分に反映させるとともに研究業務の透明性を高めることを目的とする。
平成26年1月9日(木)9時20分~12時00分
平成26年度から実施する研究3件について下記5項目に関する事前評価を受けた。
平成25年度に実施している研究2件について下記4項目に関する中間評価を受けた。
平成24年度で終了した研究1件について下記3項目に関する事後評価を受けた。
(1)事前評価
評価指標 | A | B | C | D |
工業研究所の内部評価 | 0件 | 3件 | 0件 | 0件 |
評価委員会の評価 | 1件 | 1件 | 1件 | 0件 |
A:計画どおり実施。
B:一部修正して実施。
C:計画の変更を要する。
D:計画を保留し内容を見直す。
★評価結果に対する当所の対応(別添「評価表」のとおり。)
(2)中間評価
評価指標 | A | B | C | D |
工業研究所の内部評価 | 0件 | 2件 | 0件 | 0件 |
評価委員会の評価 | 1件 | 1件 | 0件 | 0件 |
A:今後十分な研究成果が期待できる。
B:今後一定の研究成果が期待できる。
C:今後の見通しに問題があり、見直しが必要である。
D:研究の終了を検討すべきである。
★評価結果に対する当所の対応(別添「評価表」のとおり。)
(3)事後評価
評価指標 | A | B | C | D |
工業研究所の内部評価 | 1件 | 0件 | 0件 | 0件 |
評価委員会の評価 | 0件 | 1件 | 0件 | 0件 |
A:目標を上回る十分な研究成果が得られた。
B:目標を達成し、見込み通りの研究成果が得られた。
C:目標を概ね達成し、一定の成果が得られた。
D:十分な研究成果が得られなかった。
★評価結果に対する当所の対応(別添「評価表」のとおり。)
(敬称略 順不同)
氏名 | 役職 |
松下裕秀 | 名古屋大学 大学院工学研究科長 工学部長 |
木本 博 | 中部大学 研究支援センター 教授 |
神保睦子 | 大同大学 工学部電気電子工学科 教授 |
中村 隆 | 名古屋工業大学 大学院産業戦略工学専攻 教授 |
飯田昭夫 | いいだ特許事務所 所長 |
田口義高 | 中京油脂株式会社 取締役開発センター長 |
研究テーマ名 | 研究の概要 |
湿式法による複合酸化皮膜の作製と防錆皮膜および機能性材料への応用 | 錫系、マンガン系および亜鉛系を主とした複合酸化皮膜の作製技術を確立してクロムフリー防錆皮膜への応用を図る。またこれらの酸化皮膜は光触媒、太陽電池、熱電素子としての機能を有するものがあり、これらの特性を利用した環境技術への応用を目指す。 |
LEDを利用した省電力装置の信頼性評価技術の開発 | LEDに最適な回路設計と放熱設計の技術、それらの評価技術を確立することを目的とする。そして中小企業を中心に製品開発の諸問題を支援し、価値が高い商品を多く産み出せるようにする。 |
金型離型性向上のためのコーティング技術開発 | 一般に有機材料よりも優れた耐久性を示すシリカ等の無機コーティングを対象に、離型性・耐久性に加え、金型が変形を起こさないような低温で容易に成膜できることを考慮したコーティング技術の開発を目的とする。 |
研究テーマ名 | 研究の概要 |
製品の評価技術に関する研究開発 | 機械製品(ねじ、歯車、金型など)は、その使用用途で千差万別の設計が必要であるが、多くは経験値に頼った設計や製造が行われている。本研究では、形状の評価、応力解析、モーダル解析、破損の要因分析等の測定技術を用いて、経験値を見やすい形にして、迅速的で簡易的な評価技術の向上のための検証実験と解析を行う。 |
有機無機複合材料の高性能化に関する研究 | ガラス繊維強化プラスチックなどの有機無機複合材料はフィラーの配向や凝集をうまく制御することで性能が向上する。本研究では、複合材料のより高機能化、高信頼性化を目指すため、複合材料中のフィラーの成形時の流動による配向、相分離やフィラーの極性を利用した二次構造の発現、フィラーの核剤としての性質や加工特性への影響について研究を行う。 |
研究テーマ名 | 研究の概要 |
CAEを活用した樹脂部品の設計技術の開発 | 本研究では自動車用樹脂部品を対象とした強度解析技術を開発して、CAEによる効率的な設計手法を確立する。また、この技術を自動車関連企業の多い当地域の中小企業へ技術展開することで、これまでの「下請け生産型」から「設計提案型」への体質改善を促し、中小企業の開発競争力強化にも寄与する。 |
研究テーマ名 |
内部評価 | 外部評価 | 当所の取り扱い | |||
評点 | 評価 | 評点 | 評価 | コメント | ||
湿式法による複合酸化皮膜の作製と防錆皮膜および機能性材料への応用 | 19.8 | B | 21.3 | A | ・業界の要請に対応した課題で、成果が期待できる。 ・目的が明瞭であり、中小企業への技術サポートにつながる研究であるので、このまま進めてほしい。また、夢的な技術の応用もアドバルーンとして出すと予算も確保しやすいので一工夫を期待する。 ・名市工研の得意技術として、PRできるように技術を確立してほしい。 |
中小企業のニーズに対応した防錆皮膜の開発と並行して、新規な機能性皮膜の検討も進め、当所の独自技術として確立を目指す。 |
LEDを利用した省電力装置の信頼性評価技術の開発 | 18.8 | B | 18.4 | B | ・中小企業が対応できる開発テーマである。 ・LEDの特長を活かした省電力製品の開発支援であるが、中小企業からの依頼を待つだけでなく、積極的な提案も検討していくと良いように思う ・良い成果を望みます。 |
本研究は普段の技術相談などから多くの企業の要望をまとめたテーマですので、実用的で役に立つと考えています。中小企業を中心に広く技術普及していきたいと思います。 |
金型離型性向上のためのコーティング技術開発 | 17.8 | B | 14.0 | C | ・対象樹脂の変更等計画の見直しを。市場ニーズ、既存技術の調査をしっかりとしてから開始すべき。 ・情報収集して、出口の見える計画にして下さい。現状では目的を達成するのが難しい様な気がします。挑戦する価値はあると思います。 ・研究目的としては良いが具体的な研究対象(実験対象物)について、委員の意見を参考にして再検討しながらチャレンジしてはどうか。 |
計画を見直し、関連する既存技術を調査してコーティング材料、成膜方法等を再検討するとともに、市場ニーズを把握した上で適切な成形材料を対象とする。 |
・評点は、1.当所の使命との適合性、2.研究目的の妥当性、3.研究内容の妥当性、4.研究実施体制の妥当性、5.成果の波及効果の各項目(5点満点)における、評価委員の平均点の合計
・評価は、A:計画通り実施可。 B:一部修正して実施可。 C:計画の変更を要する。 D:計画を保留し、内容を見直す。
研究テーマ名 |
内部評価 | 外部評価 | 当所の取り扱い | |||
評点 | 評価 | 評点 | 評価 | コメント | ||
製品の評価技術に関する研究開発 | 15.0 | B | 12.9 | B | ・中小企業のニーズをよく吸い上げて、有効な利用を考えてほしい。 ・3次元デジタイザでの測定は可能になっているが、それを製造技術や、より詳細な製品評価へ発展させるための検討が必要と感じる。 ・企業のニーズを受け入れている状況は理解できたが、名市工研の取り組みの特徴が判断し難い。 |
三次元形状測定の背景にある製品の本質的な問題点を明らかにし、 中小企業のニーズに沿った総合的な製品評価方法を検討し、成果の普及に努めます。 |
有機無機複合材料の高性能化に関する研究 | 15.4 | B | 16.6 | A | ・複合成形体の配向観察技術を名市工研の得意技術であるメッキと合わせて、より独自性のある技術にできるように体制も検討したらどうか。 ・めっき繊維トレーサを使用した点が評価できるが、より安価なトレーサを検討するのも必要と考える。あるいは名市工研の得意なめっき技術の発展でも良い。計画の進捗状況としては問題ないので、このまま進めて下さい。 ・応用、用途を調べて成果を発展させて下さい。評価方法として大変に優れたものを完成しており、今後の進展が楽しみです。 |
トレーサにはコストや取扱いの点から金属繊維が最適であり、主に金属繊維を使う手法の改良を進めますが、めっき繊維についてもめっき方法等を検討します。用途はCAEの補完の他に内部歪のマーカーとしても検討します。 |
・評点は、1.進捗状況、2.当初計画の妥当性、3.成果の見通し、問題点の明確化、4.計画の見直しの必要性の各項目(5点満点)における、評価委員の平均点の合計
・評価は、A:今後十分な研究成果が期待できる。 B:今後一定の研究成果が期待できる。 C:今後の見通しに問題があり、見直しが必要である。 D:研究の終了を検討すべきである。
研究テーマ名 |
内部評価 | 外部評価 | 当所の取り扱い | |||
評点 | 評価 | 評点 | 評価 | コメント | ||
CAEを活用した樹脂部品の設計技術の開発 | 13.2 | A | 10.6 | B | ・目標は達成されている。実用事例が多くなる様に、アピールが必要と思われる。 ・開発研究の意義は高いが、樹脂を扱っている研究チームとの連携がよく見えにくい。現象論だけでは解決できない。 ・取り扱いの難しい樹脂の構造評価に取り組み、ある程度の成果が見られる。必要な技術と考えられるので、今後も継続し成果の発展を期待したい。 |
実用事例が増えるように中小企業に積極的に成果をアピールするとともに、今後も樹脂構造の最新情報を取り入れるなどして成果の継続的発展に努めます。 |
・評点は、1.目標の達成度、2.達成された成果の意義、3.技術としての発展性の各項目(5点満点)における、評価委員の平均点の合計
・評価は、(A)目標を上回る十分な研究成果が得られた。 (B)目標を達成し、見込み通りの研究成果が得られた。
(C)目標を概ね達成し、一定の成果が得られた。 (D):十分な研究成果が得られなかった。